使い始めて半年ほどが経ち、X-T2のカスタムしている設定もだいぶ煮詰まってきているので、備忘も兼ねて紹介。
僕の場合、スナップフォト中心、絞り優先オートが基本、MFも多用、と言ったスタイルなので、例えば動きもの中心でAFの細かい設定を煮詰める、などと言った人とは指向が違うと思う。ストロボは基本使わないのでその辺の設定も放置。
全設定を書くのは面倒なので、これは変えておいた方がいい、と思うところをメインに抜粋。
画質設定(I.Q.)
画質モードはFine+RAW、RAW記録方式はロスレス圧縮。
これで64GBのSDXCカードで概ね1600枚撮れるらしい。経験的にはスナップ用途で一日中歩き回ってシャッターを切るような使い方で、一日で最大800枚程度までシャッターを切ることがある。ので2-3日の軽旅行には64GBのカードが一枚あれば事は足りる計算になる(予備の電池の手当の方が問題)。
フィルムシュミレーションはVelviaを基本にしつつ、人物撮りの時はAstiaやProNegHiあたりも併用。VelviaはDR100で、AstiaなどはDR400などを優先的に使いたいところ。実際には、フィルムモードを変更する機会はほとんどなく、フィルムモードごと作りこんだカスタム設定を変更している。
カスタム選択は普通にフィルムモードごとにベースとなる設定を割り当てている。なお後述するがカスタム選択はFn2ボタン(ボディ前面の一等地のボタン)に割り当ててある。
フォーカス設定(AF/MF)
AFモードはALL。これでAFポイント選択状態時にリアコマンドダイヤルを回転することでAFポイントのサイズからAFモードの変更までシームレスに移行できるので問題ない。
縦/横位置AFモード切替はOFF。ポートレイト撮影メインの人とかだと縦位置と横位置でAFポイントの設定が別に記憶される方が便利だったりするのだろうか?
AFポイント表示はON。僕はファインダや背面液晶の表示が割と賑やかな方が好きなので、撮影の補助になるような表示は割と積極的に表示させている。
プリAFはOFF。これをONにしていると電源ONにしたまま持ち歩いているときに常にピント合わせしようとして、レンズによってはジーコジーコうるさい上に電池を消耗する。
AF補助光はOFF。ピカピカ光るのは嫌い。
顔検出/瞳AF設定はOFF。便利で楽ちんできる機能なのでONにしておきたいところだが、これをONにしておくとフォーカスチェックで拡大表示してピントを確認できる機能が排他的に使えなくなってしまうため。ある程度人物スナップの機会が多く、この機能を使うことが多い人はどこかのFnボタンに顔検出/瞳AF設定のON/OFFを割り当てておくとよいだろう。
AF+MFはON。MFアシストはSTD。デジタルスプリットとかフォーカスピーキングとかは言うほど便利には思えない。
測光&フォーカスエリア連動はOFFだがONにしてもいいのかもしれない。どっちみち、EVFだとファインダ内でプレビュー時に明るいか暗いか分かるので困らない。
被写界深度スケールはピクセル。今更フィルム基準で考える必要もないだろう。
レリーズ優先/フォーカス優先はAF-SもAF-Cもレリーズ(優先)。別にピントが合いきってないピンぼけ写真になるのは許容するが、シャッターボタンを押した時にシャッターが落ち切らない挙動をするのは嫌い。
撮影設定
ドライブ設定はFnボタンのどこかに割り当てておいて必要時にワンプッシュで設定変更できる方がいいだろう。僕はAEB(±2/3EVの7枚撮影)とフィルムシュミレーションBKTは多少使うことがある。
シャッター方式はM+E。たまに超高速シャッターになった時にコンニャクが出ても気にしない。
ブレ防止モードは1。常時補正のが普通に楽だと思う。
感度AUTO設定はAUTO1に200-3200、AUTO2に200-6400、AUTO3に200-12800と設定してみたが、結局AUTO2を使っていることが多い。低速限界はいずれもAUTOで問題ない。
マウントアダプター設定はここまで掘らないと変更できないのはかなりまだるっこしい。
マウントアダプタ併用の際は、僕はフジ純正Mマウントアダプタを買ったうえで、Mマウントから各社一眼レフマウントに変換するアダプタを買って二段構えでマウントアダプタをやって、フジ純正Mマウントアダプタにあるボタンを押すことで設定変更できるようにしている。がXマウントのサードパーティレンズの焦点距離入力がめんどくさく、時々設定変更を忘れる。この機能はFnボタンに割り当てできるとワンプッシュで変更出来て楽なのだけど…。
フラッシュ設定
知らない。多分工場出荷設定のまま放置。
動画設定
知らない。多分工場出荷設定のまま放置。
以下はセットアップ項目
基本設定
マイメニュー設定は今のところ使っていない。どちらかと言うと階層が深くて遠い設定はQボタンで対応したいところ(と言いつつ、あまり変更したことは無いが)
センサークリーニングは電源OFF時に実行にしている。電源ON時に実行だと、起動時にワンテンポ遅くなるような気がするので。
音設定
AF合焦音はOFF。いらない、そんなもの
操作音量もOFF。
シャッター音量は1、シャッター音も1。この2つは電子シャッターの時のシャッター音を決めるものなのだが、無音だと違和感があったので、ごく小さくでもチッと音がする方が良かった。
表示設定
EVF明るさはAUTO、EVF鮮やかさは0、LCD明るさは0、LCD鮮やかさは0。この辺はあまり変えない方が素直な表示でいいかなあと思う。LCD明るさにもAUTOがあっても良かったのにと思う。
撮影画像表示はOFF。
マニュアル時モニター露出/WB反映は露出/WB反映。こういう数値が反映されてプレビューで確認できるのがEVFの強みだと思っているから。
モニター撮影効果反映もON。
フレーミングガイドは方眼9分割。できれば黄金比分割が欲しかったところ。
縦横自動回転再生はOFF。
距離指標の単位はm。
2画面モード表示設定は工場出荷設定のまま(使わないので)。一見便利に思えるが、カメラを覗いている方と画面の表示される位置にズレが出るのが好きじゃない。
画面のカスタマイズは以下のように表示させている。基本的なポリシーとしては、撮影の補助になる表示は積極的にだして、画面内が多少ゴチャついてもかまわないと考えている。ただ、EVFで見た時にEVFの画面内に被ってきてしまう表示はなるべく削って、距離指標のみ画面内に被るが仕方ないものとしている。
・フレーミングガイド(先ほどの説明通り方眼9分割が表示される)
・電子水準器(画面内に被るものではあるが仕方ない)
・AFフレーム(画面内に被るものではあるが仕方ない)
・AF時の距離指標(画面内に被るものではあるが仕方ない)
・MF時の距離指標(画面内に被るものではあるが仕方ない)
・ヒストグラム(これはシャッターボタンを半押しするとどっちみち消えてしまう)
・ライブビューハイライト警告(この手のデジタル強調表示は嫌い)
・撮影モード(絞り/シャッター速度/ISOが表示されていれば必要なわけでもないので、画面内がゴチャついてると感じる場合は表示しなくてもいいかもしれない)
・絞り/シャッター速度/ISO
・情報表示背景(これはどこで何が出てるのかいまいちよく分からない…)
・露出補正表示
・露出補正ゲージ(画面内に被るので表示しない)
・フォーカスモード(画面内に被るので表示しない)
・測光(どうせ常にマルチ測光なので、画面内がゴチャついてると感じる場合は表示しなくてもいいかもしれない)
・シャッター方式(どうせ常にM+Eなので、画面内がゴチャついてると感じる場合は表示しなくてもいいかもしれない)
・フラッシュ(フラッシュを装着しないのでどっちみち何も表示されないが)
・連射モード(画面内がゴチャついてると感じる場合は表示しなくてもいいかもしれない)
・ブレ防止
・ホワイトバランス(どうせAWBの時には何も表示されないが)
・フィルムシュミレーション
・ダイナミックレンジ
・ブーストモード(画面内に被るので表示しない。どっちみち常にブーストON)
・撮影可能枚数
・画像サイズ&画質モード(どうせ常にRAW+Lなので、画面内がゴチャついてると感じる場合は表示しなくてもいいかもしれない)
・動画モード&録画時間(動画なんか撮らないのでどっちみち何も表示されないが)
・マイクレベル(動画なんか撮らないのでどっちみち何も表示されないが。画面内に被るがまあ録画時には仕方ないのだろう)
・バッテリー残量表示
・画面枠(画面内が充分明るい時は枠は表示されないので気になることは無いはず)
操作ボタン・ダイヤル設定
フォーカスレバー設定はON。
クイックメニュー登録/編集はいまだ答えにたどり着けない。って言うかあまり変えない。フィルムモードの微調整関連の設定を入れておいてある。
Fn/AE-L/AF-Lボタン設定は以下の通り。工場出荷設定から大幅に変更している。
・Fn1:ワイヤレス通信(X-T1が確かこのボタンがこの機能だった気がするので。このボタンは撮影中には押しにくいと思うのであまり頻繁に変える機能を割り当てる場所じゃないと思う)
・Fn2:カスタム選択(実質的にはフィルムシュミレーション変更ボタン。個人的には右手人差し指は撮影中はシャッターボタンに集中させたいので、ここは一等地だけど撮影中に押す機能を割り当てる場所じゃないと思う)
・Fn3:フォーカスチェック(実質的にはMFレンズを装着した時のフォーカス拡大機能の割り当て。この機能は工場出荷時にはリアコマンドダイアル押し込みに割り当てられているが、どうもX-T2のリアダイアルは押し込み時にグニュッとした感触がイマイチで押し心地がよくないので、十字ボタン上のこちらに割り当てている)
・Fn4:ダイナミックレンジ(フィルムシュミレーション内の設定の中で、結局この機能を一番変更することが多いかなとこっちに割り当てた。とは言えあまり使っていない)
・Fn5:ヒストグラム(ファームウェアVer2.10から、このボタンを押すとヒストグラムが3原色のものも表示されるようになった)
・Fn6:ドライブ設定(どこかに割り当てておかないと不便なので)
・AE-L:AE-L
・AF-L:AF-L
・R-DIAL:顔検出/瞳AF設定(どこかに割り当てておかないと不便なので)
各ボタン設定は、Fn1-Fn3は必要頻度が高く場所もここがいいと固定してあるのだが、Fn4-R-DIALはあまり定まっていない。AE-L/AF-Lも別に使っているわけではないので別機能を割り当てたいところだが、割り当て位置の説明が合理的に納得しやすく必要なボタンと言うのがまだ定まっていない感じ。上記以外にはWB、セルフタイマー辺りは割り当てたいところではある。
セレクターボタン設定はFn。フォーカスエリアはフジがせっかくフォーカスレバーを作ったのだからそっちを使うようにしている。フォーカスレバーもイマイチクリック感に欠け、操作感がよくないけど。
コマンドダイヤル設定はフロントがSS、リアがF値に設定している。個人的には絞り優先オートを使うことが殆どで、右手人差し指をシャッターレリーズ専用に、右手親指をリアダイアルに、と役目を分けた方が(つまりフロントダイアルの操作はなるべく機会を減らした方が)いいと考えてこの割り当てなのだが、どうもペンタックスの時もフジの時も工場出荷時の割り当てと逆に変更している気がする。工場出荷時の方の設定にもなにか合理的な理由があるのだろうか?
S.S.操作設定はON(まああまり使わないのだが)。
感度ダイヤル設定(H)は25600。あまり意味はない。
感度ダイヤル設定(L)は100。あまり意味はない。
感度ダイヤル設定(A)はAUTO。
半押しAFはAF-S/AF-CともにON。
半押しAEはAF-S/MF/AF-CともにON。これはぜひONにしておきたい。シャッターボタン半押し時に露出値が定まり、EVF内に絞り/シャッター速度/ISOが表示されるからだ(OFFにしておくと、例えば絞り優先オートだと絞り値しか決定していないので絞り値しか表示されない)。なお、連射を多用する人は連射中の露出値変更に追従させるためにこの設定はOFFにしておく方が良いようだ。
レンズなしレリーズはON。マウントアダプタ経由のレリーズが多分できなくなるし。
カードなしレリーズはON。でもどっちでもいい気がする。
フォーカスリングは反時計回り。ペンタを使ってきた経験的には時計回りのがいいのだが、反時計回りの方がEVF内の距離指標の向きとの整合性が良い気がするので。
AE/AF-LOCK設定は押下切替。複数のボタンを押しつつの操作はやりにくいので押下切替の方をお勧め。
絞り設定はオート+マニュアル。
ロックは解除。最初の頃は機能別ロックにしていたが、結局ロックしていることを忘れて『なぜ変更できないの?』と戸惑うことが多かったし、別に解除したせいで誤作動するものもなかった。
消費電力設定
自動電源OFFは2分。電源ボタンを回し忘れていることがあるので、自動電源OFF機能をオフにしておくことは避けたい。スリープにした場合、シャッターボタン半押し(より若干押しこむぐらい?)をすると復帰する。
パフォーマンスはブースト。バッテリーグリップをつけているわけではないのでEVFが100fpsになるだけだのような気がするが、まあ発展途上のEVFが少しでも快適になる方が好ましいと思う。特に暑い夏場でもオーバーヒートになることもなかったので(若干熱は持ったが)大丈夫だと思う。
保存設定
コマNO.は連番。
処理前画像記録はON。
ファイル名編集はと割り当てている。本当はと割り当てたいのだが、フジの英数字にはなぜかアンダーバーがない(ペンタックスにはあった)。なんかXT-20使ってるみたいなのがちょっと残念だが、1万枚を超えたらと割り当てようと思っている。
接続設定
共通設定:SSID名はFUJIFILM-XT-2としている。固有なランダム英数字はつけてないが正直混線することなんかないと思う…。
スマートフォン送信時3M圧縮はON。
PC保存設定はPCにソフトを入れてないので使ってない(ワイヤレス接続はスマホとタブレットのみ)。
アクセスポイント設定、IPアドレス設定もカスタムしてあるが個人環境なので割愛。
位置情報設定は位置情報取得、位置情報表示ともにONにしてある。使わないけど。
その他、Tips。
普段は絞り優先オートで撮影しているので、シャッターダイヤルはA、ISOダイヤルもA、露出補正ダイヤルは0に設定し、絞りリングないしリアダイアルで露出を決定している。
が、サードパーティAマウントレンズやマウントアダプタを利用した際には、ISOダイヤルはA位置はやめてマニュアルに指定した方がいい。と言うのも、絞り値が伝達されないレンズを装着した際には、どうもX-T2のプログラムラインがバグっているようで、ISOをオートにしておくと(低速オートの焦点距離情報がうまく検出できない為と思われる)ISOがオートの範囲内で一番高感度に固定されてしまう症状が出る。結果、低感度&低速シャッター速度でも露出が合うはずなのに、高感度&高速シャッター速度でプログラムラインが決まり、なぜかむりやり電子シャッター最高速でレリーズが切られたりする挙動があったからだ。
随時更新。
X-T1/X-T2用に購入した望遠レンズのレビューエントリ。焦点距離的には100mm~(換算150mm~)のレンズで検討したもの、購入したものをメモ。
超広角・広角域(焦点距離的には~23mm(換算34.5mm)までの)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(3) 超広角・広角レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
標準域(焦点距離的には24mm~45mm(換算36mm~67.5mm)まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(4) 標準レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
中望遠域(焦点距離的には46mm~100mm(換算69mm~150mm)まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(5) 中望遠レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
特殊効果レンズのレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(7) 特殊効果レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
以下、とりあえずさっくり調べたレンズ一覧。例のごとく、一眼レフ用レンズは数が多いので除外、L/Mマウントレンズは1990年代以降の新しめのレンズ(ライカ純正を除く)を掲載。
調べた結果、135mm画角のレンズは多少あるかと思ったが、比較的最近に発売されたレンズにはほぼなかった。本当に古い、レンジファインダー全盛のころの(50年以上前の)レンズならありそうだが、さすがに調査も面倒なので省略してある。
最近受注生産で発売されたSPEEDMASTER135mmは…フジはGXマウント(中判用)でラインナップしていてXマウントではなかった。
XC 50-230mm F4.5-6.7 OIS II
2017年9月購入。
結局のところ、望遠側はフジ純正からどれを選ぶかになってしまうんじゃないか?と思う。昨今噂のある、ボディ内手振れ補正がフジのカメラボディにも搭載されれば選択肢はだいぶ広がるだろうが、現状では適当な(一眼レフ用等の)望遠レンズを装着しても手振れが酷くて歩留まりがかなり下がってしまうのでは?と思うからだ。
その純正の中でも、とりあえず大三元クラスの明るい望遠ズームか、トリやヒコーキがメイン被写体になるであろう超望遠ズームか、と言う選択肢は明確に定まり、あとは通常の望遠レンズであるXF55-200にするか、廉価版なXC50-230にするか、程度の選択肢しかない。僕は少し悩んだが、軽いXC50-230にすることにした。将来的にはXF100-400も買って望遠二台体制を目指してもいいかなあと考えての事だ。一本で済ますのならXF55-200の方がいいんじゃないか?と思う(後述するが、特にXC50-230は動体に向かないのでXCだけで完結させるのはちょっと厳しそうでもある)。
そんなレンズだが、軽く使ってみた印象としては
・レンズは言うほど安っぽくはない。90年代のダブルズームセット付属の商品とかのがよほど安っぽかった。
・絞り操作がボディ側のダイヤルになってしまうのは、やはり若干違和感。XF55-200の方がその辺の違和感なく、使いやすいだろうがまあ妥協。
・望遠端がF6.7と暗いが、EVFで覗いている以上、レンズの暗さと言うのは存外に意識されない。一応OISがついているので若干の手振れ限界引き下げもできるし。
・ズームリングの操作は若干重いが、途中でトルクが変わるようなこともないので合格レベル。
・AFが遅い。広角端の50mm付近ではまあ不満ない速度でピントが合うが、望遠端の230mm付近ではヨッコラショ、と言う感じでのんびりフォーカスが合う。正直動体には使えないと思うレベル(僕は動体撮影なんてほぼやらないので構わないが)
・AF駆動音は存外小さい。シャッター音の方が賑やかなぐらいにはAF駆動音は静粛なので、別にLMレンズじゃなくても我慢できるレベル。
・描写はカリカリではないが、これだけ解像してれば充分じゃね?レベル。広角端であまり寄れないのは若干不満だが、望遠端でだいぶ撮影倍率が稼げるので我慢できるレベル。
と言った感じ。とにかく最大の欠点は望遠端でAFが遅い、である。それをあまり気にしなければ、軽いしちょっとしたお出かけの時にバッグの中に入れておける良いレンズ。もう少しコンパクトなら言うこと無しではあるが。
以下作例。
広角端遠景の描写。焦点距離50mm、絞りF8。
アニメ「あの夏で待ってる」で有名な「あの浅間山」ポジションから撮影した(本来は夏場に撮影するものだが)。これだけ解像してれば充分だと思う。これ以上解像させようとすると、フジの場合ポップコーンノイズが発生しそうだし。
同じく望遠端遠景の描写。焦点距離230mm、絞りF6.7。
開放でこんなもん描写すれば充分じゃないか?って感じ。浅間山山頂付近の噴石と思われる石も何となく確認できるし、これ以上の解像を求めるのならそもそもカメラ自体をGFXとかD850とかにした方がいいんじゃないか状態。
周辺減光がほんの少しあるが、F8に絞れば気にならなくなる。
今度は近接テスト。焦点距離50mm、絞り開放。
いつもの通りモミジで近接撮影テストしたが、広角端ではここまでしか寄れない。大いに不満あるレベル。また、背景の玉ボケを見る限りレモン状の口径食は相当強く出るようである。まあボケを期待するレンズではないのでそっちは問題ない。
同じく近接撮影、焦点距離230mm、絞り開放。
望遠端で寄る分には結構撮影倍率を稼げる。このぐらい撮影倍率あれば不満はないだろう。描写は若干甘いが、手振れの影響が若干入っていると思う。
ボケの輪郭に変な色付きなどはないようだ。
逆光テスト? 焦点距離230mm、絞り開放
クモの巣を見つけたので逆光の中で描写させるとどうなるかなあと思ってやってみたけど、朝露がついてる時間帯とかではなかったので、大した写真にならなかった。むしろ、僕のX-T2のマウント内側の遮光部分に若干焼け焦げが発生してしまったのだが、原因はこの写真を撮ったせいだと思う…(サードパーティの古レンズとかもいろいろ使っているのでそっちが遮光焦げの原因の可能性ももちろんあるが)。OVFじゃないから太陽覗いても大丈夫だぜ!とかはあまりやらない方がいいらしい。
望遠端、絞り開放
このレンズを手に入れたのがちょうど秋口だったので、暇なときはしょっちゅうトンボを撮影して遊んでいた。がトンボの顔になかなかピントが来なくて、どうしても羽根にピントが来てしまう。こんなヘッポコな被写体でも存外に難しいものだなあと思った。まあいくらでも撮影できるので楽しいけど。
ところどころでボケ発生し始めのところで二線ボケの傾向があり、小さなリング状のボケが確認できる。まあそこまで描写を要求するのは酷だろう。
広角端、絞り開放
北陸新幹線、多分あさま。この時は連射を試そうと思って、この後遠ざかっていく新幹線に望遠端に変えて連射したらカメラがフリーズした…。連射でフリーズする現象にはその後カメラのファームウエア更新で対策がなされたようだが、ちょっと驚いた。
随時更新。
X-T1/X-T2用に購入した特殊効果(特殊ボケ・解像しない・マウントフィルターレンズ・フィッシュアイ)レンズや、そのほかエクステンションチューブなどのメモ。
超広角・広角域(焦点距離的には~23mm(換算34.5mm)までの)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(3) 超広角・広角レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
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望遠域(焦点距離的には100mm~(換算150mm~)まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(6) 望遠レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
とりあえず使えそうなレンズ一覧は調査中。
Pixco CCTV 25mm f/1.4
2017年9月購入。
Cマウントのレンズ。Cマウントのレンズは高確率でFUJIFILM-Xマウント、SONY-Eマウントには実用にならないと思っていて支障はない。基本はPENTAX-QマウントやNIKON-1マウント、せいぜいmicro4/3マウントで使う程度しか写野がないからだ。Xマウントには変換アダプタが存在しているので一応装着は出来るものの、盛大に周辺がケラれる。まあそのケラレを前提で遊ぶためのレンズだ。高価なレンズで遊ぶのは勇気がいるけど、このレンズならマウントアダプタが付属して3000円程度なのでそんなに悩まずとも済むし。
で、使ってみた感想は
・見た目も操作感も超安っぽい。基本は産業用とかに使うレンズだと思うので、まあそこそこがっちりと強度はあるかと思うが、安っぽいのは事実。
・ピントリング・絞りリングは固め。基本は固定焦点っぽく、あまり頻繁に変更することを想定していないのだろうなあと言う感じの硬さ。絞りリングが前側で妙に太く、ピントリングが根元側で妙に手前側過ぎるので、ピント合わせをしているつもりが絞りリングをグルグルしているだけだった、と言うことがしばしば。
・盛大にケラれる。開放側はケラレの境界線が若干あいまいで、その分撮像範囲が広いように感じられなくもない。絞り込むとケラレの境界がしっかりと見えてしまうので、ただのケラれた状態の写真になり、使い道がほとんどない。開放側で、トンネル効果だと言い張る方が無難。
・解像はこんなしょぼしょぼレンズのわりに中心はそれなりに解像していると思う。いや、何が写っているか分かるよ、程度のものでカリカリの解像とかはしないのだが、そもそもそんなに解像しても仕方ないレンズなので気にする必要はない。周辺は見事にグルグルボケになる。
・逆光性能はしょぼい、と言うか逆光ですらない、順光状態でもなんか画面全体モヤモヤしているような感じもうけるので、逆光性能とか気にする必要なし。
と言った感じ。
もともと、Helios 44-2にグルグルボケを期待して買ってみたところ、思ったより優等生な写りでした、もっとグルグルな奴が欲しいなと思って買ったところが無きにしもあらずなので、このぐらいの性能で僕は充分。このレンズをクソ玉と思うか癖玉と思うかは個人の感想の意見の相違の範疇だろう。
以下作例。
グルグルボケのコスモス。絞り開放、最近接はもう少し寄ることができる。周辺は全く写っていないのだけど、トンネル効果と言い張る。ボケはグルグルはしているものの、輪郭強調とかはなく存外に素直なので頭の中で思い描くイメージを外すことがなく、扱いやすい方だと思う。
周辺が真っ暗な分、評価測光でも中央は露出オーバー気味になるので、あらかじめ露出は若干マイナスに振っておく方がいい。
僕の撮影スポットの近隣では彼岸花が咲いている場所がどうにも見つからず、半ば諦めかけていたら偶然見つけたので撮影できた。絞り開放、最近接はさらにもうちょっとだけ寄れると思う。ボケがいうほどざわついていないのが分かる。密集して咲いていたので後ろの彼岸花もすぐ近くなわけだけど、意外によくボケている。
周辺まで明るい環境だと、こんな風にトンネル効果ではなく周辺減光&ケラレなんだなあとはっきりばれてしまうので、その辺は構図に工夫が必要。
だいたい遠景 開放F1.4
同じく、F2.8ぐらい
同じく、一番絞ってF8ぐらい? もう少し絞れてそう
絞り別の解像と周辺の写り方の作例。画面中央のビニールハウス辺りでピントの山を取ればよかったが、確か記憶ではその後ろの山(浅間山)でピントを出したような気がするのでF1.4では画面中央でもボケボケになってしまっている。
遠景ではケラレの効果が大きすぎて、絞り開放でもとてもトンネル効果と言い張れない惨状だが、それでも開放付近ではケラレの境界付近の落ち込み方が多少緩やかで、絞り込むとケラレがはっきりと目立つと言うのはわかるかと思う。
このぐらい解像してくれるのなら、ケラレが目立たないだろうmicro4/3辺りならもう少し実用になるかもしれないが、まあそんな中途半端な描写を求めても仕方ないので潔く近接開放写真専用のレンズと思った方がいいと思う。背景もガンガンボケてくれるので、開放で使って全然問題なし、多少絞り込むとしてもせいぜいF2.8ぐらいまでの範囲で使うのが良いかと思う。
PENTACON AV 2.8/80 MADE IN G.D.R.
2017年11月購入。
このレンズは、ヤフオクで購入した。バブルボケで有名な、Meyer Trioplanの派生レンズ。確か、メイヤー社が後にオプティコン社に吸収されて、オプティコン社名義でトリプレットレンズをいくつか発売している。これもそんなレンズで、さらに言えばカメラ用のレンズではなく、プロジェクター用のレンズをM42マウントに移植したものなんだそうだ。
トリオプランはバブルボケが見直されて数年前から人気が出ているレンズで、復刻レンズまで登場したのだが、如何せん高い。50mmのトリオプランなら5万円前後で入手できるようだが、100mmのトリオプランだと旧製品で10万弱、復刻品だと10万を軽く超える値付けがされていて、ちょっと手を出しにくい。が僕が入手したこのレンズは1万ちょいの値段なのでかなりリーズナブルな購入だった。さっきも書いたように元プロジェクター用のレンズなので絞りリングは省略されており、F2.8専用のレンズになっているのだがバブルボケを楽しもうと思ったら絞る必要性なんかないわけで、これで充分である。また、焦点距離80mmと言うのも使いやすい。おそらく、焦点距離50mmはm4/3でないと狙いの大きなバブルボケは出ないだろう。100mmならフルサイズでも充分行けると思う。僕の入手したレンズもフルサイズでも余裕のイメージサークルがあるようだがAPS-Cで使っても悪くない感じだ。
※バブルボケは、背景にある点光源が写りこんだときに大きく丸く玉ボケになる際に、輪郭がきれいに縁取られ、リング状にも近くなるボケ。基本的に球面収差がオーバーインフに設定されているときに発生し、普通のボケとしては二線ボケの原因にもなるのでどちらかと言うと敬遠される。がトリオプランなどのトリプレットレンズでは顕著すぎてバブルボケはかえって見事で、作画効果にちょうど良くなる。一部の超望遠で使われるミラーレンズ(カタジオプトリック光学系)はレンズ(ミラー)中心を使わないので完全にリング状のボケになるが、それとは若干作画効果が異なる。
以下作例。さっきも書いたようにこのレンズは絞れないので開放作例のみ。
紅葉の風景でバブルボケを出せないか軽くテスト。基本的には、逆光気味の背景で木漏れ日をいれるとバブルボケになるのだが、意外と取り込むのは難しかった。
この作例のように前景も背景も赤、ではなく例えば前景は紅葉だけど背景はまだ緑、とかにした方がボケが目立っていい結果になりそうだ(この撮影の時もそう言うポジションを探したがあまり良い場所がなかった)。
また、このレンズの場合、最初にバブルボケありきなので、まず背景のバブルボケの大きさがちょうど狙い通りになるようにピント位置を定め、そのピント位置に前景が来るように調整するような、構図を考える時に逆転の発想をする方がうまくいくような印象だった。
なお、前景のピントはどこにあっているのだかいまいちよく分からないが、そもそもこのレンズ、ソフトフォーカスレンズと言っても差し支えなさそうな解像の甘さなので、その辺は妥協が必要。
銅像でポートレートっぽいものの作例の代用。この銅像は大人の女性よりは若干小さく、小学校高学年の子供ぐらいのサイズか。
見ての通り、ポヤポヤの解像である。ソフトフォーカスレンズと言うにはもう少しフレアがのらないと物足りない中途半端さ。また、背景のボケは当然のことながら二線ボケの影響を受けてガサガサした印象になるので、こういうシチュエーションではあまり使えるレンズではない。
同じく、銅像でバブルボケと両立できないか試してみた作例。実際の人間の顔より小さいであろう銅像でも構図に入りきらない感じなので、ちょっと厳しい感じ(顔が入りきったり、上半身だったりの構図だとバブルボケが小さすぎてインパクトがイマイチになる)。
逆光で一番厳しそうなシチュエーションの作例。画面ギリギリ外に太陽があるシチュエーションが一番フレアがのるが、それでもこの程度なのでマシな方かと思う。そもそも解像がポヤポヤなのでフレアがのって解像がさらに甘くなっても大差がない。
ここからは、このレンズが真価を発揮するイルミネーションの写真。バブルボケはいくらでも出るし、もうイルミネーション撮影で夢中になれること請け合い。やはり、前景に何かオマケを置くのが肝要かと思われるので、撮影スポットによっては前景用になにか小物の被写体を持っていくといいかもしれない。
こうしてみると造花の生地の感じなども一応写っているので、近景なら多少は解像しているのかも。
これは作例と言うか、前ボケの出方のサンプル。球面収差がオーバーインフなので、前ボケは芯のある結構きれいなボケになってるのかと思ったら、なんとも微妙な感じだった。まあイルミネーションじゃなく日中の撮影でなら前ボケを活かすシチュエーションはある…のかもしれない。
これは後ろボケ、バブルボケのサンプル。ボケのサイズが小さめだと、若干の口径食の影響が出るらしく、周辺部のは円形が崩れている。とは言えそれほど目立つレモンボケでもないので、このぐらいのボケサイズでも十分使えると思う。
バブルボケのサンプル、さらに。ボケのサイズが少し大きくなると、口径食の影響が目立たなくなるのが分かる。さらにボケが大きくなるともっと目立たなくなるけど、それは省略。
FUJINON XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro
2017年12月購入。
マクロレンズはレビューの中でどこに書けばいいんだかとも思ったけど(中望遠のジャンルでも良かったか?)、まあ特殊効果レンズのレビューで紹介。発売されたばかりなうえ、発売時期が11月だったか、紅葉ですら終盤じゃないのか状態の中での発売なので初動は存外低調だったんじゃないかと思う、このレンズ。花咲く季節に出してればもっと初動大きかったんじゃないかなあ。現時点では国内レビューあんまり多くないようだ。
フジの純正マクロレンズとしてはこのレンズの他にFUJINON XF60mm F2.4 R Macroがあるのだが、初期の発売でハーフマクロまでしか対応していない・手振れ補正に対応していない・代わりに結構小型軽量なXF60mm、満を持しての発売で当然等倍撮影まで対応している・手振れ補正にも対応している(しかも5段分!)・けどめっちゃでかい重いレンズであるところのXF80、と二つのレンズのキャラクターは結構違うので冷静になって考えればどっちのレンズを買うべきかはそれほど悩まずに済むと思う。個人的には、とりあえず撮影の幅を広げるためにバッグの片隅にマクロレンズを置きたい人はXF60を使えばいいし、日常の撮影がマクロ撮影が主体で多少のデカ重に耐えられる人はXF80を買えばいいと思う。最初このXF80を買う前は「XF60はいくらなんでも初期発売だし手振れ補正もないしなーないよなー」とか思っていたが、XF80を買って思ったのはこっちはデカ重で持ち歩くのが明らかに苦行なので、確かに撮影は楽になるかもしれないが、そうそういいレンズってわけでもないぞ、って事だった。
とまあざっくり書きつつ簡単な印象を列記すると
・でかい。重い。手持ちのXC50-230より若干長く、だいぶ太いのはびっくりした。重量も言うまでも無し。このレンズ、レッドバッジシリーズに入れるべきだったんじゃなかろうか(レッドバッジはズームだけなのか?)
・通電をしないで持ち歩いていると、O.I.S.ユニットが中で動いているんだろうが若干ゴロゴロ感あり。XF18-55やXC50-230ではこんなにゴロゴロしない。O.I.S.ユニット自体が結構重そうだぞ、と言う印象をうける。
・通電中も微妙にゴロゴロと言うかモーター音だと思うがうるさい。野外で使ってる時は気にならないが静かな室外で使っていると、「お、意外に音が出てるな」と言う印象を持つ。
・AF速度はそこそこ。通常域はXF35mmF1.4ぐらいのイメージで、爆速ではないがまあシュッとあってくれる。マクロ域はピント合わせをしている間にファインダの中でピント合わせに伴ってボケの大きさが変わっていくなあ、と分かる程度の遅さ。これはまあ仕方ないところか。なお、明るい野外で使うほうがピント合わせは速く、やや暗めの室内だとX-T2の位相差素子が効いていないのかノロノロである。
・ピントリングが全体の半分ぐらいの幅を占めていて、レンズ前部分はただ掴むだけの稼働無しの部分なんだけど、ここもピントリングが占拠していた方がかっこよかったんじゃなかろうか。さらにレンズキャップを装着する先端はもう一段細くなっており、なんかデザインはちょっとかっこ悪い気がする。
・ピントリングのトルクはやや重め。まあレンズの大きさからすればこのぐらいの感触が妥当なのかな。がピントリングの回転角はどうかと思う。最近接から無限遠までピントリングを三周ぐらいする。微調整がしやすいかもしれないが、ピントリング回すのめんどくさすぎ。せいぜい二周でいいと思う。このレンズに限らず、フジのレンズはピントリングの回転角を大きく取りすぎだと思う。所詮電動エンコーダなので、回転角の感度を調整できる項目がボディ内にあればいいんじゃないかと思う。
・絞りリング、トルク重すぎ。よっこいしょと回転しないといけない。こっちもただの電動エンコーダなのだし、なぜフジノンブランドのレンズ全体でトルク統一できないのだろうか。
・OISのON/OFFスイッチ、焦点レンジ変更スイッチは結構硬めで、これは良い。手持ちのXF18-55は軽めでバッグの中に入れたり出したりで誤作動してる時があるっぽいので、このぐらい重い方がいい。
・レンズキャップが62φのもので新型仕様?今まで使ってたフジノンのキャップはグラグラでまともに使う気が起きない感じだったが若干マシになってる。旧仕様のレンズキャップは前面が軽いドーム状の傾斜だったが、このレンズについてる新仕様のキャップは他社の物と同じく平面になってる。まあどっちみち僕はタムロン旧仕様キャップに交換してしまうのだけど。
・ここからは描写の話だけど、まあ単純に素晴らしいの一言。XF16mmF1.4の時にも感じたことだが、フジの素晴らしいは解像するところは素直にかっちり解像し、アウトフォーカスは前ボケも後ろボケも癖もなく自然に消える、ホントに素直な描写。欠点がどこにもなく、良いところは高いレベルで到達している。癖がないので扱いやすい半面、何も癖がないのでサラリとしすぎていて僕には戸惑いを感じてしまう感じ。
・たった一つだけ弱点を見つけたけど、口径食が大きくレモンボケが目立つ。特にこの焦点レンジでマクロまでまかなうとなると、イルミネーションの時などレモンはかなり気になるだろう。だが不思議なのは口径食が気になるのはあくまで光源ボケを入れた時の話で、普通の描写の時にグルグルボケっぽいものが発生するだとか、ボケ描写にザラツキがあるだとか、そう言う欠点はないようだ。なので、扱いやすさをスポイルすることは無いだろう。
と言った感じだ。まあ、とにかくデカくて重い、ちょっとレモンボケが出る、あたりが欠点だけど完成度は滅茶苦茶高いレンズである。
以下、しょうもない作例。
某5ちゃんねるにも投稿したとりあえずのサンプル写真。いつもならとりあえずモミジの葉っぱを取るところだが、すでに落葉しているので。モールみたいな素材でできているぬいぐるみ?を見る限り、非常に無難に解像していると思う。モールは解像を確認するのにはちょっと模様がおおざっぱなので、もう少し細かな模様を持つ被写体で試したいところ。
けっこうざっくりした構図で前ボケ、後ろボケが入っているけどレンズが優秀なのでどっちもうるさくならず、ナチュラルにボケていっていると思う。
ボケの色付きに関してはこの作例では見られないが、この被写体が日陰だったので明るい場所で撮ると若干評価が変わる可能性はある。
この季節、シクラメンぐらいしか花がない…花屋の店先に並んだ、を軽くスナップしただけでちゃんと構図とかピント合わせ出来ていないので花弁の傷的なものにピントが合ってしまった。シクラメンなら、もう少し見上げる構図で下側にチョロンと出てる棒状のおしべ?めしべ?みたいなものにでもピント合わせればいいのだろうか。ボケはとにかくナチュラルで、構図の時に悩ませる要素が減るのは撮影をはかどらせるのに便利そう。
中景のサンプル…にしようかと思ったら、あまりにも単純な被写体で描写も大してわかんないしょうもないのになってしまったので他の視点で観察するサンプル。
一つはわざと左端ギリギリに柱を一本入れたのだけど、見ての通り歪曲収差は無視できるレベルだと言うこと。まあ、中望遠レンズに顕著な歪曲収差があったら困るけど。
もう一つはこのシャッター速度でもこれだけ止まりますよと言うこと(ss1/13)。なんとなく描写がツルンとしてるのは微ブレもあるのかもしれないけど、まあ目立った手ブレはないと思う。手持ちでサクッと撮っただけなので、シャッター速度限界は頑張ればもう少し下にあると思う。本来なら焦点距離80mm→換算焦点距離120mmなので一般的なシャッター速度限界が1/120ぐらい、そこから5段補正が効くので(1/128→1/64→1/32→1/16→1/8)大体1/8secぐらいまでは手持ちでいける計算になる頑張ってもう一段で1/4secもいけるのかもしれない。これは便利だ。
これは明らかに失敗してるし被写体としても酷すぎるんだがまた観察用サンプルで。
マクロ域の場合、さっきと同じようなシャッター速度(今回はss1/15)では結構明確に手ブレしてしまうのが分かる。この撮影の時は手前に机があって片肘をついていたので、立って手持ちのさっきの写真の状況より、手振れ耐性は高い状況だったと思うのだが。このレンズはシフトブレ対応しておりマクロ域でも手振れ補正が効くとあるが、5段までは効かないようだ。実効でどのぐらい効くのか調べてみたいところだが、とりあえずは2段としてss1/32secぐらいまでにはとどめたいところだ。
この三枚は等倍を並べても仕方ないのでリサイズ済み。光源ボケの様子の確認で、年輪ボケの様子と口径食の様子の確認。
一枚目は中央近くに大きめの光源ボケを置いた様子で、このぐらいなら中心からずれていても口径食は目立たない。
二枚目は大きめな光源ボケだが、画面の隅に配置した場合を確認するためのもので、結構みごとなレモンボケが出ることが分かる。
なお、二枚から分かる通りごくわずかな年輪ボケも発生しているがまあこの程度なら我慢できる程度じゃないかと思う。年輪ボケは光学系に非球面レンズを使っているとその研磨ムラに起因して発生しやすいらしく、このレンズも非球面レンズを使っている(最近は研磨技術が進んで非球面レンズでも年輪が発生するのは減ってきているようだ)。
その他ボケの中に変な模様があったりするが、それはおそらくレンズ最前面の表面にホコリが若干付着していたせいじゃないかと思う。
ボケの輪郭は完全になだらかではなく若干確認できるが、変な色付きなどはほとんどないようだし、この程度の輪郭だと通常撮影で二線ボケが出ることもないようだ。
三枚目は、光源ボケのサイズを若干小さくしたもの。実際のところ、上の二枚ほどの大きなボケはマクロ域にならないと出なくて、この三枚目ぐらいのサイズが通常域撮影の最近接相当(1m弱)ぐらいかと思う。なお、この撮影は駐車場に置いた車の中で駐車場の向こう側に停まっている車に光が反射して光っているのに気が付き、とっさに光源ボケの確認に使えるなと思って撮影したもので、三枚目の画面の下の方にある傷のようなものは車のフロントガラスの擦れ跡?なんじゃないかと思う(当たり前だが撮影中にエンジン掛けたりはしていない)。
三枚目ぐらいの光源ボケサイズでも口径食はしっかり確認できる。これはやっぱり気にする人は気にするんじゃないかと思う。
一方で光源ボケ以外の場所は素直で扱いやすそうだと僕は感じた。黒い車が後ろ向きに停めてあって、その手前に逆Uの字型の白い柵が左右にあるのがなんとなくぼや~んと分かる。何があるのかは分かるけど、うるさいわけじゃないボケ、このぐらいが一番扱いやすいのじゃないだろうか。
逆光の作例。若干のゴースト、フレアが確認できる(晩秋で落ち穂を燃やしており、その煙が入ったせいでフレアが確認しにくくなってしまったのは失敗)。この写真の際に太陽を画面内に入れた構図(この写真)や太陽をわずかに画面外とした構図など撮影してみたが、ゴーストは若干発生するようである。
写りこんだ太陽の下側にスミアと言うかブルーミングと言うかが紫色がかって若干発生している。また手前の木が太陽近くにかかっているところで若干輪郭にパープルフリンジもしている。この辺は太陽を画面内に入れる無茶な構図のせいか。
とは言え、それ以外は画面の端の方まできれいに解像している(開放絞り)。これは素晴らしいと思う。
遠景作例、絞り別 開放F2.8
遠景作例、絞り別 開放F5.6
遠景作例、絞り別 開放F8
遠景の写り具合を絞り別に三例。まあ普通に開放からバリバリに写ってますね。マクロレンズだけど遠景でも全く問題ない感じ。浅間山のてっぺん近くの稜線に石ころがある様子とか開放からバッチリ写ってます。開放の周辺部(右下、左下)は若干解像が甘いけど、これは単に構図がちょっと下になっちゃって前景がピント外になっちゃっただけではないかと推察される。
ポップコーンノイズの発生も特にない模様。
周辺減光は、開放でほんの少し確認されるけど、こうやって比較されない限り気になることは無いと思う。
ボケによる描写の変化がなく使いやすいと言う事か。
FUJIFILM X-T2の銘板のところに貼り革で化粧板を作って貼り付けて、FUJIFILMのロゴを隠してみた。
まあ、隠した理由はただのミーハーと言うか、FUJIFILMロゴがない方がレトロに見えるかなあと思ったから。FUJICAロゴだったらかっこよかっただろうになあ…とか思ってしまう。
世の中にはミーハーではなく理由があって隠しているお仕事の写真家の人もいる。戦場カメラマンはロゴがあると目立つので狙撃のターゲットになりやすいらしく、黒いカメラにロゴを隠して使う。ポートレートやヌードを撮るカメラマンの中にも、瞳の中のハイライトにロゴが写りこんでしまうことがある、と言う理由で隠している人がいる。そういう人は大概武骨に、ペンタ部にべたべたとパーマセルテープなんかを貼って使っているのを時々カメラ雑誌やテレビなんかで見かける。
と言うことで、まあお遊びでロゴを隠してみた。昔からカメラに貼り革を貼って遊ぶのをやっているので、まあ貼り革も余ってるしやってみようかなと。
使う貼り革はビニックスレザー。主にライカ用の交換貼り革や、その他カメラをドレスするために使われている。1セット買うと貼り革と貼り付けるための両面テープが入っている。A4サイズで、一度買うと素人の遊び程度では使う量がたかが知れているので使い切るまで結構長いこと遊べる。また、耐久性は十分にあり、手元にあるDMC-LX3に貼った貼り革はもう10年近く経つはずだが相変わらず問題なく使えているので、あまり劣化の事とかは気にしなくていい。
ロゴをきれいに隠す大きさにカットすればいいのだが、いつものごとくノギスとかでテキトーに測ってイラレ上で見本紙を作成する。
今回作成した下紙はこんな感じ。サムネイルをクリックして、でかいjpgをダウンロードして300dpiで印刷すれば一応サイズは大体合うはず。せっかくなので、銘板だけじゃなくてその上の面まで覆うようなデザインの物を製作してみた(が結局コンパクトに銘板を覆うところだけしか使わなかった)。もう少し遊ぶなら、脇の部分にも革を当てて、ニコンのFM系列やDfみたいなのもいいかなあと思ったが、SSやISOの位置を確認する指標をうまく隠さないように作るのはめんどくさかったので諦めた。
型紙を適当に印刷し、大まかに切って、貼り革の上に両面テープで仮止めする。ここで使う両面テープは仮止めなので粘着力は弱くていい(貼り革の貼り付け側には当然付属の強い両面テープを貼る)。今回は以前他で使った貼り革の端切れが残っていたのでそれを使用。
型紙を貼り革の上に貼り付けて、そのまま目安にカットする。器用な人がやった方が出来は絶対いいはず(僕はかなり下手な方だと思う)。
カットした後、コバ(貼り革のサイドの部分)がどうしても汚くなってしまうので、黒マジックで塗りつぶしてしまう。綺麗にカット出来ていてもこの作業はやった方がいい。ビニックスレザーは本来、貼り革スペースが確保されている場所に貼るもので、コバの部分は本体に段差があるので隠れて見えなくなるが、今回のように無理やり貼り付ける場合は、コバの部分が見えてしまい、特に両面テープがうっすらと白く見えてしまうからだ。
コバ塗りをしたら型紙をはがして両面テープの裏もはがしカメラに貼り付ける。これは銘板と前面を覆うように試作したのだけど、ちょっとうるさすぎるかなあと感じた。
ので、改めて銘板部分だけカットして貼り付けてみた。こっちのが無難かなあと思う。
なお、ペンタ部のデザインはX-T1、X-T2で基本的に共通らしいので、上記の型紙でX-T1でも同じように覆えるはず。
先日、内山牧場の大コスモス園に行ってみた。が、大コスモス園自体は今年は外れだったみたいで、数年前に行った時に感動したような前面を埋め尽くすようなコスモスがなくて、ほとんどの範囲は雑草が目立ってイマイチだった。
のだが、天気が良かったので、南隣にある荒船山がビビるぐらい絶景で広がっていたので、そちらを写真に撮ることにした。で、せっかくなのでX-T2にあるパノラマ撮影機能を使ってみた。のでその感想の備忘。
パノラマ撮影機能と言えばフィルム時代はフィルムの上下をマスクするだけのなんちゃってパノラマ機能が一時期流行し、カメラに無駄にP機能として搭載された結果、多くの人がボタン操作を間違えてパノラマ設定にしたまま撮影をし、事後のDPEで画質の悪い上に無駄に値段高いパノラマ写真をプリントされて困っていたのを思い出す。当時DPEショップでバイトしていた時、数十本に1本ぐらい、『あーこれ設定間違えて撮ってるわ』と思しきパノラマ写真があって、とはいえそもそもフィルムがマスクされているので上下は何も写っておらず、パノラマプリントせざるをえないフィルムを虚しく印刷していた。一応、ガチのパノラマ写真と言えば富士フイルムのTXシリーズと言うのもあったけど、まあ一般には全然知られてないだろう。
デジタルに入ってからは連射した写真をカメラ内で自動合成して一枚の大きいパノラマを作ると言う機能が搭載され、多しか最初はSONYのEマウントのどれかあたりだったと思うが、今ではスマホでも搭載されてるメジャーな機能となった(メジャーになっただけで使われているかは謎だが)。本来はこういうパノラマ合成は歪曲の少ないレンズを使って、三脚に据えて、ノーダルポイントを検出して回転させながら撮影して、あとで合成するみたいな果てしなくめんどくさい作業が必要なのだが、カメラ内で簡易的(とはバカにできない高クオリティで)作成できるようになったのは凄いと思う。
閑話休題。X-T2でそんなパノラマ機能を使って撮影してみた。撮影方法としては、ドライブダイヤルをパノラマ撮影モードに変更して、カメラのガイドに従ってシャッターボタンを押し続けながら体を回転させるだけ。
背面液晶に水平線と移動方向の矢印が出るので、水平はなるべく維持するように撮影する。またカメラを横に動かすのではなく、体の中心を縦に軸のようにしているのを想像して、体をぐるりと回す方がいいと思う。また、その回転はあまり速く動かすとエラーメッセージが出てうまくいかない。思ったよりゆっくりと体をねじるような感覚で回す。
と言うことで、撮影結果は以下の通り。
思ったより解像度は圧縮されたものが出てきた。
使用レンズは、IBERIT 75mm F2.4。
同じ場所で同じレンズで単射した作例は以下の通り。
さらに、同じ場所でXF35mmF1.4で撮影した作例は以下の通りで、75mmレンズでパノラマ撮影した写真は概ねこのレンズで撮影した写真と横の画角が一致しているようだ。
おまけで、同じ場所でXF14mmF2.8で撮影した作例は以下の通り。これだけC-PLをかましているので発色が若干違う。
この位置から見ると、荒船山の船の後ろの方から舳先を望むような構図になる。こうやって見てもしっかり『荒船』してるのはちょっと感動した。
紅葉の季節に、朝焼けや夕焼けを絡めて撮影したらさぞや傑作が撮れるんだろうなあと思った。