MAD CATZ M.O.U.S.9 MC-M9E-MB 簡単なレビュー
完全にマウス/キーボード漂流者になっているが、キーボードがBlueTooth使うならマウスだってBlueToothでいいじゃん、と言うことで前から気になっていたマッドキャッツの無線マウス、M.O.U.S.9 MC-M9E-MBを購入してみた。
マッドキャッツには完全ゲーミング用の無線マウスCyborg R.A.T 9 Gaming Mouseと言うのもあるが、これはほぼ毎日充電池を交換しないといけなさそうなので見送り。で、BT接続のこっちは一応一年間稼働するらしい(実際には一年稼働は単三のアルカリ乾電池での話で、僕は単三のeneloop proを使っているのでそこまでは持続しないと思う=ニッケル水素電池の方が電圧が低いから)。
[2015.01.11 追記]
購入から一年近く経ったので補足。電池に関しては、eneloop proでは一か月程度しか持たなかった。そして、これは電池交換時に気づいたのだがこのマウスで一番”華奢な”部分は実は電池蓋で、プラスチックの留め金がすれて劣化しやすい感じで、電池交換後ちゃんと電池を認識しなくて一度てんやかんや困ったことがあったので、結局メーカー推奨のアルカリ電池を使うことにした。で、アルカリ電池は半年以上使いまくってもまだ残量があり、メーカーのうたい文句は確かなようである。ので、ぜひこのマウスではアルカリ電池使用を推奨したい。
[2015.01.11 追記ここまで]
主だった比較対象は、現在併用運用しながらどっちをメインにするか迷っているLogicool G G602 Wireless Gaming Mouseと、退役した旧メインマウスのLogitech G7 Laser Cordless Mouse(僕のは海外輸入品なのでLogitech銘)になる。
まず持ってみて驚いたのが、M.O.U.S.9のがっしりした安定感。このマウス、メタルフレーム(アルミらしい)なのだ。今まで使ってきたマウスで、別にぐらつきとか柔さを感じたわけではないけれど、改めてアルミフレームのマウスと持ち比べをしてみると、あからさまに堅牢感が違う。もちろん、マウスの場合、堅牢感から起因するような将来的なヘタりはまず考えられなくて、壊れるとしたらクリックボタンの故障(チャタリング)だろうと思われる。ので、この堅牢感は不要と言えば不要なのだけど、それでもこの握った時の安心感は、高級キーボードで感じるだろう安定感と同じく、けっこうありがたく感じた。
それから、全体のボタン配置もなかなかよく考えられている。巷ではガンダムマウスとか呼ばれているみたいで、まあいかにもゴツゴツした印象のマウスではあるのだけど、左右クリック/ホイール以外のサブボタンもなかなか合理的に配置されていて、どのボタンも押しやすい上に誤爆するようなことも少ない。あえて言うなら、マウス全体のデザインがちょっと平べったいがゆえか、一番奥のボタンに相当する右クリックボタンが押しにくくて、ホイールスクロールをしている時に右クリックも一緒に押してしまう時があった(僕は右ボタン+ホイールクリック=いわゆるホイールジェスチャをブラウザでマウスジェスチャー登録していたので、この誤爆だけは結構多かった→結局ブラウザのホイールジェスチャを切ってしまった)が、その他のボタンはまず間違えようがない。そして、親指のところにある丸いボタン(精密ターゲットボタンと言う名称らしい)を押す感触がムニッとしていて気持ちいい。気持ちよくてなんか癖になる感触。また、左クリックの左脇に人差し指で押すボタンもあるのだが(ウィングボタンと言う名称らしい)これもすごくいい感触。この辺は素性の良さを感じさせる。
あと、僕は最初このマウスにはチルトホイールは搭載されてなくて、代替に親指が覆うあたりにある二つ目の横スクロールホイールを水平スクロールに使うのだとばかり思っていたのだが、これは勘違いだった。ホイールボタン(真ん中ボタン)は、ホイールクリック(真ん中クリック)、ホイールスクロール、左右チルトスクロールの基本機能がちゃんと全部備わっている。その辺頑張りすぎたためもあるのか、ホイールボタン周りは少し華奢なイメージを受けた。マウス自体の剛性の良さからか、他のボタンはそこそこしっかりした押し心地なので、ホイール周りももうちょっと硬い挙動でも良いかなあと言う感じ。
で、チルトホイールとは独立に提供されている水平スクロールだが、多機能すぎて今は何の機能に割り当てればいいのか困っている感じ。ズームアップ/ダウンでもいいだろうし、ボリュームアップ/ダウンでもいい。とにかく結構いろいろに設定できるので、これは今後煮詰めていきたいと思う。
その他、欠点と言うか弱点と言うかを上げてあげていくと、
・まず一つ目、マウスが平べったすぎる。これは個人の好みにもよるとは思う。G602辺りを普通の車として、M.O.U.S.9はスポーツカーみたいなのっぺりした平べったさだ。なので、マウスを握った時に手のひらに押し付けてくる感触がちょっと弱い。この辺は手の形・持ち方によって違うし、携帯性としては良い形状なので一概には言い切れない。
・二つ目、マウスを握った時に小指を置くスペースが余る。マウスの左側手前にはマウスの長さを変えるためのロック機構があるのだけど、それ以外の外装がないので、小指がこの辺でちょっとぶらぶらしてる。G602だと、小指の位置にもちゃんとつかむ部分があるので、変な遊びは感じない。
・三つ目、チルトスクロールが若干”鳴る”。キュルキュルと言う、潤滑油の足りてないねじを回すときのような音。一応マッドキャッツサポートに問い合わせてみたけど、若干の音が出るのは仕様っぽい。高周波すぎると耳障りだとは思うんだけど、そこまでではないし許容範囲内ではある。
・最後に、先にも書いたけど僕の持ち方が悪いのか、どうも右クリックを誤爆する。けっして右クリックのクリック感が弱いわけではなくて、人差し指をホイールボタンに動かした時の指の体制が若干窮屈なのだと思う。ホイールボタンがもう少し出っ張っていると誤爆が少ないのかもしれない。
なお、このマウスはおしりの部分をレバー操作で4段階ぐらい出し入れのサイズ変更ができる。個人的にはおしりをひっこめ切った状態は親指が押しやすくなるが若干右クリックの誤爆が増え、おしりを伸ばした状態では親指が押しにくくなり、小指のぶらぶら感が強い感じをうけるが右クリックの誤爆が減る印象だった。
それからもう一点付け加えると、このマウスはWindows7(うちではPro 64bitを使っている)では、基本的に汎用のBlueToothドングルでは認識しない。BlueTooth SMART READYと言うのに対応しているドングルを使う必要があるのだが、BlueTooth SMART READY対応ドングルを買ってきてもWindows7環境ではBlueTooth SMART READYが有効にならない。
よって、マウス本体に付属(内蔵)されている専用ドングルを使う必要がある。専用ドングルはペアリング等の設定も必要なく、Windows7環境でも普通に使えるが、このドングルをWindows7デバイスマネージャ上ではBlueTooth接続とみなしていないようなので、この専用ドングルに他のBlueToothデバイスをぶら下げることは不可能なようだ。まあ、要するに単に無線USBマウスと同じ感覚で使うと言う話になる。
—- 2014.03.24追記 —-
半月ほど使ってみたところでレビューの追記。
・右クリックの誤爆が多い件
半月ほどの使用でかなり慣れて、誤爆は減った。
使っているうちに気づいたのだけど、このマウスは『つまみ持ち』の方が扱いやすい。今まで僕は『かぶせ持ち』のやりやすいマウスを主に使っていたので、戸惑っていたようだ。個人的にはかぶせ持ちの方が好きなのだけど、まあマウスとの相性がいい持ち方に慣れる方向で。
『つまみ持ち』『かぶせ持ち』に関してはビジネス用途にハイエンドゲーミングマウスを参照のこと。マウスの高さがあると、手のひら~指の根元がマウスに密着し、指が比較的まっすぐ伸びた姿勢になるかぶせ持ちが、M.O.U.S.9のように背丈の低いマウスでは指の根元に空間が開き、指をくの字に曲げるつまみ持ちの方がよさそうだ。
・Bluetooth認識の挙動
このマウスがスリープになる前後の挙動。
マウスを放置して15分経つと、スリープモードの準備に入る。→ウィングボタンの下、精密ターゲットボタンの前方:左クリックボタンの脇辺りで青LEDが点滅する。1秒に一回点滅して、60秒点滅し終えると完全にスリープになるらしく、点滅が終わる。
スリープに入った後の復帰はものの1秒程度みたいなのでそれほど違和感はない。復帰直後の1、2秒の間は通信が安定しないのか、マウスの追尾が若干不安定に飛び飛びになるがすぐに正常に戻る。
・塗装が気になる
人差し指・中指を置いているあたりが、既に若干すれてきているような気がする…。少し変色しているような感じです。手の脂のせいかなあ? 季節も冬だしそんなに脂出てるとは思えないのですが。もしかしたら数か月程度でこの部分は塗装はげが起きるかもしれません。
[2015.01.11 追記]
約1年弱使ったけど、結局塗装はげはなさそうです。ただ、指の脂のせいなのか、少し変色していると言った現象に関しては、ウェットティッシュでふいても改善しないので、あまり気にせず使うことが大事みたいです。
[2015.01.11 追記ここまで]
[2016.12.12 追記]
約2年9ヶ月使ったところで、右クリックがチャタり気味になったのとホイールスクロールがうまく認識しなくなってきたので使用終了することにした。後継は同じ機種を買う事も検討したが終売していて中古を探すしかなく、Mad Catzは会社のゴタゴタもあって後継品も作っていないので、LogicoolのMX MASTER MX2000にすることとした。
最終的に、Firefoxが仕様変更で新しいタブを開くのにセンターボタンクリックしないとうまく開かなくなってしまい、センターボタンクリックを多用したのがホイールスクロールの誤動作にまで影響したのかなあと思う。左クリックボタンの耐久性は申し分なかったが、センターボタンや右クリックボタンの耐久性がそこまでなかったと。
外装に関しては、最後の方はさすがに若干の塗装ハゲや加水分解による粘りもあったけど、まだ使えないと感じるほどでもなかったのでよくできた製品だったと思います。
後継機種のレビューはこちら
Logicool MX MASTER MX2000の簡単なレビュー – ちゃたろうふぁんくらぶ
[2016.12.12 追記ここまで]