FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(3) 超広角・広角レンズレビュー
随時更新。
X-T1用に購入した広角レンズのレビューエントリ。焦点距離的には~23mm(換算34.5mm)までのレンズで検討したもの、購入したものをメモ。
標準域(焦点距離的には24mm~45mm(換算36mm~67.5mm)まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(4) 標準レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
中望遠域(焦点距離的には46mm~100mm(換算69mm~150mm)まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(5) 中望遠レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
望遠域(焦点距離的には100mm~(換算150mm~)まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(6) 望遠レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
特殊効果レンズのレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(7) 特殊効果レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
とりあえずざっくり調べた使えそうなレンズ一覧は以下の通り。
L/Mマウントレンズは1990年代以降の新しめのレンズ(ライカ純正を除く)を掲載。
一眼レフ用のレンズは未記載。
今のところ、魚眼レンズを除くXマウントレンズで最広角なのは10mm(FUJINON XF 10-24mmF4、SAMYANG 10mm F2.8)(2018年には8-16mmが発売見込み)、マウントアダプタを介せば一眼レフ用の8mm~ズームが一応装着できる(Xマウントのマウントアダプタは電子接点付きが基本的に無いので、一眼レフ用等を購入してもAF・絞り・手振れ補正等が利用できないのは泣き所)。※FUJI純正マウントアダプター ライカMレンズ/フジフイルムXボディ用 電子接点付が唯一電子接点がついているが、これはあくまでマウントアダプタ上にあるボタンでボディ内の焦点距離呼び出し(と歪曲やシェーディング補正)設定が呼び出せるだけなのでここでは趣旨がちょっと違う。
FUJINON XF 16mm F1.4 R WR
2017年6月購入、2017年7月売却。
まず最初に買ったレンズはFUJINON XF 16mm F1.4 R WR。このレンズを選んだ理由は、『純正で換算24mmの画角のレンズだから』と言うのが圧倒的な理由。
過去、僕は広角(と言うか超広角)レンズは換算24mmレンズをずっと基本としてきており、過去使ったものを数えてみるに
・SIGMA 24mm F2.8
・smc PENTAX-FA☆ 24mm F2
・Panasonic DML-LX3 (ズーム広角端が換算24mmF2)
・Panasonic DMC-LX100 (ズーム広角端が換算24mmF1.8)
と使い続けてきたからだ。(これ以外の広角だと、SONY DMC-W1にフィッシュアイコンバータ、smc PENTAX-DA 10mm-17mm F3.5-F4.5 FishEye、smc PENTAX-DA 15mm F4辺りか。)
初めて買ったのがシグマの安い24mmだったのだが、超広角のパースが気持ちよく、また簡易マクロになるので被写体にぐっと近づきやすいレンズだった。それですっかりはまってしまい、「PENTAXの24mmと言えば外せない憧れ」として24mmF2に買い換え、これまた長いこと愛用。若干寄れなくなったが、妙にしっとりとした湿気のある独特の描写だった。その後、デジタルでは丁度良い交換レンズに出会えず、高級コンデジのDMC-LX3からDMC-LX100と乗り換えつつ補完していた感じだった(DMC-LX3の広角端は、低感度番長のカメラとは言え実にすばらしい描写だった)。
と言うことで、まあ他のレンズには目もくれず最初はこれをそろえようと言うことになった。
が、思ったより好みに合わず、わずか短期間でいったん手放すことにした。
簡単な印象としては
・開放F値1.4は立派。だけどミラーレスだと絞り込んでもEVFがちゃんとファインダ内の明るさ追尾してくれるので、思ったよりありがたみは薄かった。ピントは浅いと思うが、短期間だったのでピントの薄さを活用した写真はあまり撮れなかった。
・最短撮影距離15cmと言うのも良く寄れるし無難。
・画質も文句なし。開放からEVFでもわかるほどよくコントラストが効いていて、使いやすい。ミラーレスなので勝手に補正されている可能性もあるが、歪曲収差もほとんどないので使いやすいだろう(フジの単焦点は光学的補正だけで歪曲収差をきちんと消し、カメラ内の電子補正にはなるべく頼らない主義らしい。聞こえはかっこいいが個人的にはそこは今更こだわっても仕方ないように思う。ミラーレスは歪曲収差は補正しやすいよう素直なカーブにして残して、他の収差低減に当てた方が楽だと思うが…例えばオリンパスの12-100mmF4は広角端で歪曲収差-10%もあるらしいが、それを問題にしてると言う話はほとんど聞かないし)。
・ピントリングの重さはこんなものかと思う。このレンズの場合、ピントリングを前後させることでAFとMFを切り替えるクラッチがついているが、X-T1の場合、firmware ver.3.0でAF+MFが追加になってからだと思うが、フォーカスモードSのままでシャッターボタン半押しでピントリングを動かせばクラッチがAF側でもMFが効くし、逆にフォーカスモードSでクラッチがMF側でもシャッターボタン半押しでAFが働く。まあちょっと謎の挙動ではあるが不便ではなく、この仕様の方が扱いやすいだろう。
・絞りリングの重さはまあこんなものかと思うが、もう少し重くてもいいかなと思う。XF35mmF1.4みたいに軽すぎると文句つけるほどではないが。
・あえて難を言うとしたら、ちょっと大きく重い。いや、換算24mmF1.4のスペックでこの大きさ重さは軽い方だと思うのだが、X-T1と組み合わせるにはちょっとバランスがいまいちかなあと。16mmF2のスペックでいいので、もう少し小さく(特に全長短めの)レンズを期待したい。
と言ったところか。まあ、ほぼ完ぺきなレンズである。ゆえに僕はいったん手放すことにした。もう少し癖のあるレンズを使いたかった(イマイチ解像が低いせいなのか、妙に湿気のある描写をしてくれたFA☆ 24mm F2の幻想に僕はいまだに囚われている気がする)のと、X-T1+16mmF1.4の組み合わせで使うと思ったより超広角のインパクトが薄く、これは一度回り道で癖のあるレンズやもっと広角のレンズを試してみた方がいいなあと言う結論に達したからだ。
一旦はマップカメラでたまたま安く出ていたSWH15mmF4.5で遊び、Touit12mmF2.8を目指してみるのが良いだろうかと考えている。
以下、参考に撮った写真を(あまり良い出来ではない)
開放絞り、ほぼ最短距離にて。定番のモミジだけど、葉脈までしっかり写っている。ピント面の手前ボケに若干のパープルフリンジがあるがあまり気になるほどではない。
後ろの玉ボケも輪郭強調されたり、周辺部でのレモン崩れもなく安定している。
F5.0まで絞り込んで。本来ならもう少し遠景の被写体で試したいが、歪曲収差もほとんどないことはわかる。
ちょうど手前に柱があって若干斜め構図になってしまったが、もう少し正面から頑張ればよかったなあ。
かなり強めの逆光。若干フレアっぽいが優秀。他のレンズでこれと同じのやったらフレアでまくりとかあると思う。
フードは装着してない。
これも開放絞り、ほぼ最短かな。逆光だけどゴーストもないし、よく解像してる。でもなんか超広角レンズ使った感じがあまりしない。
SUPER WIDE-HELIAR 15mmF4.5 (L)
2017年7月購入、
マップカメラの中古をたまたま眺めていたら3万円未満の品を発見してしまったので購入。外付けファインダー無しなのでこの値段なのかも。どっちみちFUJIFILM純正Xマウント→Mマウントアダプタ、Mマウント→Lマウント変換リングとかみ合わせてちゃんとファインダ内で像確認できるので問題なし。
SUPER WIDE-HELIARにはLマウントの初期型(I型)、Mマウント化して距離計連動・フィルター装着可能になったII型、Eマウント/Mマウント用が出て光学系も新しくなったIII型とあるが、II型は大きく重くなり最短撮影距離も伸びてしまっているので、ミラーレスのカメラでマウントアダプタ遊びで使う分にはI型の方がいいと思う。
Mマウントアダプタは純正品がちょっと高いものの焦点距離設定にダイレクトにアクセスできるボタンがつくので良い。って言うか、この焦点距離に直接アクセスできる機能、ボディのFnボタンに割り当てできれば純正マウントアダプタいらないのだけど…。
もし純正品を買わないにしても、安物よりもちょっと頑張ってヘリコイド付きで近接撮影ができるタイプのマウントアダプタを買った方がいいと思う。
LマウントをMマウントにするアダプタはK&Fの安物を買ったが、結構ゴリゴリしてる。もっと高級品を買うと滑らかなのかは不明。今度機会があったら試します。
Lマウント→MマウントアダプタにはMマウントレンジファインダーの表示切替用対応用に『28/90mm用』『35/135mm用』『50/75mm用』があるが、どれでもいい。そもそも15mmにはどれも対応しないし、X-T1はレンジファインダじゃないので。
購入したものは、フロントレンズキャップがブカブカだった。のでサードパーティのレンズキャップを買ってみた。ノギスを引っ張り出すのが面倒で定規で適当に測ってみたら40mmぐらいだったので、40.5mmと39mmを買ってみて装着してみたが、39mmでも若干キツイかも。SUPER WIDE-HELIAR本体に直付けのフード部分の内側に内面反射防止用に、水平にギザギザ加工がしてあるのでそれに引っかかってうまく装着できない。また、内付けタイプのレンズキャップは押し込むとレンズの前玉に当たっているような気がしなくもないので、純正フードないし本体直付けフード部分の外周ないしに何か当て布をして使う方がいいかもしれない。
マウントアダプタを使うときは、L→Mアダプタは本体に装着しっぱなしでMマウントアダプタにバヨネット装着するのがいいかなと思っているのだが、こういう使い方をすると普段のレンズリアキャップは付属品のLマウントキャップでは都合が悪く、Mマウントキャップでないと困るのでこれも忘れず準備したい。なお、最初付属品には厚めのLマウントリアキャップが付属していた。このレンズが結構後ろ側に飛び出しているからだと思うが、Mマウントリアキャップは通常品を買っても別に後玉が当たっている様子はなかったのでそれを使っている。
使ってみた印象としては
・やっぱ画質は相当に落ちる。フルサイズ画角のレンズのAPS-Cサイズ部分を使っているだけだし、開放F値も4.5と低めなのにXF16mmF1.4の開放と比較しても目も当てられないへっぽこさである。周辺が流れるのは言うまでもないが、中心でしっかりピント合わせをしても解像はXF16mmF1.4の開放に全く及ばない。まあ、でもこのぐらいヘッポコだと気軽に使えると言えなくもない。
・周辺部の画質が相当に酷い。最初、右下が特に酷く感じたので片ボケかなと思ったが、まあ四隅全部悪いことは悪いのでこんなものなのかもしれない。四隅全部悪いのは無限遠風景でも近接でも同じ。
・ためしに、PCのモニタをガッツリ写してみる。で、フォーカスアシストを右端にしてピント合わせをして撮影すると、画面中心はピントを外している。と言うことで、少なくとも近接撮影では周辺部の画質低下は像面湾曲の影響が結構大きいことが分かる。
・歪曲収差はまあそこそこの樽型。近接だと若干目立つかなあと思うけど、このぐらいは味の範疇で見逃してもいいかなと思う。純正Mマウントアダプタのボタンを押したときのみ、焦点距離設定だけでなく歪曲収差補正、色シェーディング補正、周辺減光補正ができるが、まあ補正はかけないでもいいだろう。
・同様に、色シェーディング補正、周辺減光補正もまあ味の範疇で我慢していいかなと思う。一括で補正かけても絞り値が変わったり順光・逆光等で変わってしまうだろうから、うまく補正しきれないだろうと思うし。って言うか、この補正ってSUPER WIDE-HELIARで使わなかったらどのレンズで使うんだろう。もはやULTRA WIDE-HELIARぐらいになってしまうが…。
・倍率色収差が若干あり、周辺部の明暗差が大きいところで縁に色づきがみられる。って言うか、カメラ内で歪曲収差補正ができるのならなぜ倍率色収差補正機能がないのだろう?と疑問に思う…。
・最短撮影距離30cmは若干物足りないけど、まあ妥協できる範疇である。レンジファインダー用レンズでここまで寄れるんなら我慢すべきかな、と言う感じ。最近接に寄った時に、PCモニタ(24インチ)を画面目いっぱいに…までは寄りきれないぐらい(27インチモニタがいっぱいになるぐらいかな)。
・操作性は良い。絞りリングのクリック感はしっかりしているし、軽めの操作感だけど不満はない。ピントリングも軽めだけど、そもそも小型のレンズなので当たり前か。グラつきなどは皆無なので操作感が軽くても不満は感じない。
と言う感じか。XF16mmF1.4と打って変わってヘッポコレンズである。画質的にはものすごく妥協して使うべきレンズ。ただし、このレンズの魅力は言うまでもなく「小さく軽い」ことである。これだけ軽量ならバッグの隅っこにポイポイ放り込んでおけるので、ほんと楽ちんである。こっちのレンズはそんな手抜きをしつつちょいといじって遊ぶ小生意気なレンズと言った感じだろうか、僕にはこの方が相性に合ってるかな。
作例は現在まだ増やし始めているところ
開放、ヘリコイドアダプタ無しでの最近接。もう一声寄れないのでラーメンのお盆の周りのスマホやらおしぼりやらちゃんと隠さないと写真にならない、そんな感じの大きさ。
平面を写し取るのでなければ周辺の像流れはあまり気にならないかも。中心の解像もこんなもんならまあ妥協できる範囲か。
これも開放、最近接。XF16mmF1.4と同じくモミジを寄って撮ってもこれだけ違いがある、と言うのが分かるかと思う。
若干解像が物足りない気がするけど、このぐらいぬめっとした感じの写りの方が好みでもある。
開放、無限遠。無限遠はどう見ても右側片ボケしているように見える。レンズの装着が悪かったのかもしれないし、被写体に正面向いてないと言えなくもない(いやでも川の対岸なので全部無限遠だと思うけど)のでもう少し様子を見たいが、場合によっては片ボケで一回マップカメラに戻すかもしれない。
※後日、XF14mmで同じ場所で撮影してみたが、やっぱりこの写真の像面湾曲は酷い(このエントリの下の方にXF14mmの写真あり)
その後、やっぱり無限遠での像面湾曲と言うか片ボケと言うかが気になるので、一度購入したマップカメラ経由で修理に出している。マップカメラとしても、これは片ボケより像面湾曲の影響の方が大きいのではないか、と言う見解なので治るかどうか、現在待機中である。
修理から返却された。8/2頃修理のためマップカメラへ発送し、8/27に修理が終わり帰ってきた。おおよそ3週間とちょっと時間がかかったが、お盆休業期間を挟んだので仕方ない。修理に関しては、ケンコートキナー銘の修理明細が付属していた。14000円ほどの修理代金見積もりが書いてあったが、初期不良期間中なので修理代金は無料にしてもらえた。修理内容としては「解像の調整、およびピントの調整」となっていた。
で、修理後の写真はこんな感じ。
開放、ほぼ無限遠(画面中央でピント合わせ)。修理前と違って、片ボケの症状はほぼ収まって、左右で流れ方の割合はほぼ均等になったと思う。像面湾曲があるので、像流れが完全に解消したりはしないが、この程度なら遊べる性能にはなったと思う。
参考までに、ほぼ同じ位置で、開放、ほぼ無限遠で今度は画面右端の方で拡大ピント合わせしたもの。一応端でピント合わせをすれば若干甘いもののピントは出て、今度は画面中央がピンボケになるので像面湾曲があるのが分かる。
FUJINON XF 14mm F2.8 R
2017年8月購入、
と言うことで、SWHが不在の間にもう一本レンズを試してみようと言うことで、FUJINON XF 14mm F2.8 Rを購入してみた。
1mm刻みでだんだん広角になっていくが、自分が使いこなせる限界はどのあたりに来るのだろう。このレンズを買うか、Touit 12mmF2.8を買うか少し悶絶して悩んでみたが、
・Touit 12mmはでかい。XF 16mmで大きいのが不満と言っていた人間に納得できるかは非常に疑わしかった。
・どっちも最短撮影距離が18cmでもう一声足りない、開放F値2.8でもう一声足りない、と言うのは同じ。
と言う辺りを根拠に、結局XF 14mmにすることにした。Touit 12mmの換算18mmの超広角が使いこなせる気がしなかった、と言うのも若干ある。
と言うことで、少し使ってみた感想。
・描写は非常に良い。XF 16mmより解像は高い気がする。けどXF 16mmほどカリカリ感はなく、穏やかに細く解像しているような印象。近接撮影の際に、後ろボケに入る始め辺りにごくわずかに二線ボケがあるが、無理に出そうとしない限り目立つことはないだろう。
・サイズ感も申し分なし。標準域レンズとしてコンビを組むXF 35mm F1.4レンズに52mm→58mmのステップアップリングとCPLフィルタを装着してあるのだが、これだと全長がXF 14mmとほぼ同じになり、ぱっと見た目にはXF 14mmとXF 35mmが区別つかないんじゃ、って言うぐらいサイズ感が揃って、これはこれで使いやすい。確かに、両方ともXマウントレンズラインナップ初期のころに出たレンズなのだが、そういうサイズ感も揃っているレンズだったので先行して登場した側面もあるのだろう。
・ピントリング・絞りリングの操作感もXF 35mmと似ている。最大の違いは、こっちのレンズはMF切替のクラッチがついていることなのだが、結局のところX-T1/X-T2ではAF+MF機能を使ってフルタイムMF的な利用をするときにはどっち使ってもあまり大差はないわけで。ただ、XF 35mmとXF 14mmでピントリングの回転角が全然違うのはちょっと問題。って言うかXF 35mmの方がおかしいのだけど。
・難を述べるとすれば、最初に購入する時に悩んだそのまんま。このサイズ感でF2(せめてF2.4)であれば嬉しかったし、最短撮影距離も14mmレンズなのだから14cmまでは頑張ってほしかった。
と言った感じ。
以下作例。※なお、XF16mmの作例はX-T1で撮影していたがXF14mmの作例はX-T2で撮影しているので、等倍鑑賞とかで比較する時は画素数・解像度に違いがあることを考慮してください。
開放F2.8、最近接。XF16mmと比較しやすいように逆光気味のモミジで。多分、XF16mmの方はもう一声寄れたのかもしれない。モミジの大きさ的にはこれだけ寄れれば充分なのかなあ。
ボケ始めが若干二線ボケだけど、よく見るとXF16mmもその辺は若干二線ボケなので似たり寄ったりか。XF14mmの方がパープルフリンジの発生は抑えられている気がするが、XF16mmの方が逆光がまぶしい厳しそうな条件な気がするのでXF16mmをあまり責めるのは良くない気がする。後ろの光源ボケは開放F値が大きい分、XF16mmに比べると若干物足りない感じになるかな。多分このボケ方だと、XF14mmでボケを活かした撮影をしようとするとうるさいボケになってしまうシチュエーションの方が多いだろうと思う。
開放F2.8、最近接、同じモミジでも平たい光源の物を。解像もしっかりしてるし、立体感も良く出てる? 場所によってほんのちょっとだけの二線ボケが分からなくもないが、このぐらいの方が立体感がよく出るのかもしれない。
F5.6まで絞って、XF16mmとこれも同じ被写体を。歪曲収差はほぼなし。像面湾曲もほぼなし。優秀。XF16mmよりこっちのが若干解像が高い気もするけど、光線が違って色被り具合なども違うので、一概には比較できないか。
開放F2.8、逆光条件で。普通に優秀。換算21mmの超広角感も適度に出て、ちょっと難しいけどこれはこれで楽しい。
開放F2.8、XF16mmと同じ千羽鶴。やはり開放近接を楽しむのはXF16mmの方が一歩も二歩も上手かなと感じさせる。奥行が物足りない感じ。
これはSWH15mmとの比較用作例。SWH15mmの像面湾曲がいかにひどいかが分かる。と言うのは置いておいてこの作例で見ると、開放F2.8で撮ったのでやはり周辺部は若干解像が落ちているようである。無限遠はもう少し絞った方が良いみたい。
7Artisans 12mm F2.8
2018年2月購入
これは5ちゃんで情報やり取りしている中で偶然知って、なかなか興味深いスペックなので買ってみることにした。対抗馬としてはTouit12mm、Samyang12mmあたりになる。Touit12mmは言うまでもなく高画質かつAFのレンズだが、如何せん大きく重く、値段が高い。Samyang12mmは開放F値がF2と明るいのは魅力だが、ちょっと大きく値段もそれなりにする。比較して7Artisans12mmはバーゲンプライスかと思うほど安いところが魅力かな。
7Artisansはサイトを見ると
Shenzhen 7artisans Photoelectric Technology Co., Ltd
現在7種類のレンズを出しているのがウリのようだ(だから7 artisansなのかと思う)。50mmF1.1はフルサイズをカバーしているレンズで、これが一番のウリらしく(主にMマウント押し)国内でもいくつかレビューを見かける。フルサイズで使うとメリジオナル方向の補正が甘いのか、放射状にボケが出やすいらしく結構な癖玉扱いされている(ハイスピードレンズなので癖玉上等なのだろう)。また、サイトに載っている25mmF1.8は僕がHengyijiaブランドで持ってるものとほぼ同一らしく、新興の中華ブランドは互いにOEM供給しあってラインナップを維持しているんじゃないかなあと思う(Xマウントは用意されていないがKAXINDAの35mmF1.7なんかは何度もマイナーチェンジで光学系変更されているらしく、その辺の仕様違いを調べたり使ってみたりするのも結構遊べそうな感じである)。
購入はamazon.co.jpからなのだが、発送は中国からの郵送となり、10日ほど要した。これでも発送早い方らしい。下手すると一か月は待つ覚悟が必要。
簡単な印象としては
・まず外観、もっとプラスチッキーなレンズかと思いきやなかなかこれがしっかりした金属製の鏡胴である。唯一、レンズキャップがプラスチック製なのだが、固定式のレンズフードに噛みあうように成型したらまあ金属製でと言うわけにはいかないかな。Hengyijiaに比べるとマウント座金が厚みのある金属で(多分Eマウントとマウント座金交換のみで共用するためにXマウント用は厚めになっている)、重厚感がある。
・とはいえコストダウンの要素もあって、絞りリングにはクリックストップは無し。
・ピントリング、絞りリングはやや重めのねっとりとしたトルク感がある。どっちのリングもローレットの模様は同じなので操作時に間違えそうな気はするが、実際のところ配置やピントリングの厚みなどを見る限り間違えることはなさそうだ。
・SWH15mmと同じような花形の固定フード(もちろんこれも金属製)は作りもしっかりしていて素晴らしい。レンズ最前面は出目金タイプで、汎用レンズキャップは使えない。一応サイズとしては58mm径なのだが、装着するとレンズにぶつかってしまう。
・次に画質に関して、画質も割と好印象。カリカリの解像ではないが、その代わりに良像範囲がわりと広めで、ごく周辺部までそれほどの画質低下はない。端の方は若干流れるような描写の傾向はあるが、まあこんなものだろうと思う。周辺画質も中心画質も絞ってもそれほど変化を感じない。
・無限遠での像面湾曲はほとんどないようだ。画面中心でピント合わせした後、画面周辺部を拡大してピントのずれがあるか確認したが、特に問題はなく画面中央とピント面は同じだった。
・周辺減光も超広角なのでこんなものかなあと思う。絞ってもあまり改善しないのは周辺画質と同じ。
・歪曲収差に関してはまだ未チェック。
と言った感じだ。総じて外観がよく高級感は申し分なく、画質はカリカリではないものの納得できるレベル。絞りによる画質変化は少なく、あまり積極的に絞らずとも良さそうな感じだ。
以下作例。
あの冬で待ってる遠景ポジション、開放F2.8。ちょうどお昼時の一番順光な時間帯。もう少しカリッとしてくれるとうれしいが、フジのカメラで解像が高すぎるとポップコーンになるので、この程度がいいのかなあと思う。
最後に、F16ぐらい。F11の作例がないのは、忘れたわけではなくF8とF16の間に目盛もないし幅も狭いからである。
近景の作例、開放。最短撮影距離が20cmなのでそこまで近接性能が高いわけではない。
遠景開放作例、都会の写真なので歪曲収差の出具合が分かるかと思う。個人的にはこの感じなら歪曲は全然気にならない。
開放中景作例、左上の木の枝などを見ると倍率色収差がさすがに少し出ているのが分かる。換算18mmのスナップって、さすがに距離感とかつかむのが難しい。
FUJINON XF 10-24mm F4 R OIS
2018年3月に1日レンタル
これは3月に東京に行った際に六本木のフジサービスステーションで一日レンタルをしてみたレンズ。個人的には好みの超広角焦点域が改めて分かるのかなあと思って使ってみたのだが、どちらかと言うと基本は10mmF4レンズとして使い、気になった時に少しズームする、程度の使い方しかできなかった。それはそれで便利なのだけど、どうも僕はズームレンズはうまく使いこなせないようだ。
簡単な印象としては
・外観は大きいが我慢できないほどでもない。XF16mmの大きさに我慢できるのなら、このレンズでも我慢できそうな気がする。
・ピントリング、ズームリング、絞りリングの操作感は一応不満なし。短時間で使い込むほどにならなかったが、その短時間で不満を感じるほどでもなかった。
・描写はこれで充分なんじゃ?と思う。これ以上の画質を求めるよりは、この画質を維持したままダウンサイズしてくれた方がありがたい印象。
・使用中、カバンの中に出し入れすると、フードがずれてしまうことが多かった。ファインダを覗けばすぐにケラレができていてフードがずれていることには気づくのだが、もう少ししっかり固定したい。
と言った感じ。短時間しか使用していないが、少なくとも遠景に関しては無難な描写で歪曲も(電子補正が入っているのだろうとは思うが)よく補正されていて、使いやすいレンズだ。近接性能がイマイチなので、その辺は割り切ったスナップレンズとして使うのがいいのだろうと思う。
以下作例。
遠景、F5.6。すごく逆光な条件。多少ゴーストは出ているけどフレアっぽさはほとんどない。逆光性能も優秀だし、解像性能も優秀。
多分最近接、F8。桜のつぼみにギリギリまで寄ってみようと思ったのだが、全然寄れずに何を写したかったのかも意味不明な写真になった。と言うことで近接はイマイチ。望遠側でテーブルフォトとかならこなせるか。
これも遠景、F5.6。こういうパース感を得られる場所では、撮影している手や足が写りこまない限りはなるべく広角の方が撮影が気持ちいい感じがする。言うまでもないが歪曲収差はどこにも感じられない。