DMC-LX100で夜景イルミネーションを撮影してみた
DMC-LX100でイルミネーションを撮影してみた、のでその技術情報とレタッチ等々を備忘メモ。
なお、今回の写真は基本的にExifを残したまま、画像サイズも一番大きいものにしてあるのでそれらを積極的に参照してください(ただしファイルサイズが大きいことには注意)。
撮影会場は長野県、佐久平駅前のイルミネーション。
SAKUBLOOM|サクブルーム|イルミネーション|ミレニアムパーク|長野県|佐久市|佐久平駅|
イルミネーションの点灯開始が17:00~だが、できればあと30分ほど早い時間から開始してほしいかなあと思った。確かに人の眼で楽しむイルミネーションなら午後5時ぐらいに充分暗くなってからの方が見ごたえあるのかもしれないけど、写真撮影するのならマジックアワーで少し夕闇の空の明るさが残っている時間帯に撮影開始したいと思うからだ。
撮影開始前にやって置くべきセッティング
■ISO100(またはISO200)固定にする。設定方法は【十字ボタン上】→【コントロールダイヤル】を反時計側に2段階ほど回せばL.100(拡張感度のISO100)になる。頻繁に電源ON/OFFするのならその状態でカスタム設定登録しとけばISO100のまま使える。
子供や彼女などと一緒に出掛けて、人物を一緒に被写体に入れる場合は被写体ブレを避けるためにISO1600まで上げてもいいと思うが、あくまでイルミネーションを撮影するのが主体なら低感度で高画質に撮影するに越したことはない。
■三脚は当然必須。だけど他のお客様の邪魔にならないように。今回撮影した会場は比較的広々としていて、特に三脚設置は問題なかった。あえて言うなら子供が走り回っているので、三脚の脚につまづいて転んだりしないよう、気をつけながら撮影した。
本来ならそれに加えてリモートレリーズを使いたいところだが、残念ながらLX100にはリモートレリーズは装着できない(DMC-LX3のリチャードフラニエックケーブルレリーズアダプター的なものが欲しいなあ。自作しようかなあ)。
と思ったら今はエツミから汎用のホットシュー→レリーズアダプタがあるらしい。この辺の汎用レリーズはグリップにベルトを巻くのとか、三脚穴から固定できるよう取り回しがあるのとかあるけど、ホットシューから回してくるのが一番良さげかなと思う。できればせっかくなのだからこのアダプタの上にもう一つホットシューがついてればいいのにとは思うけど。
代替策として一般的なのはセルフタイマーの使用(2secでいい)なのだが、LX100はセルフタイマーとオートブラケッティングの同時使用が出来ないので、ここは撮影で効率的に回るためにもオートブラケットの方を僕は優先的に使用している。
もう一つの代替策はスマホないしタブレットでPanasonic Image Appを使う方法だが、これまた手元に道具が増えるだけで煩雑になるので僕はあまり勧めない。Panasonic Image Appは三脚を完全に据えつけて少し離れたところで撮影したり、テザー撮影をするのに良いのかなあと思う。
■電子水準器機能を積極的に使っていきたい。三脚を据えてのセッティング時にも素早く行えるので設定をONにしておこう。設定はメニュー内に特別あるわけではなく、DISP.ボタンを何度か連打して水準器表示状態にするだけ。表示ラインが緑色の時が水平が取れているとき。
■電子水準器に合わせてガイドライン表示も活用したい。【メニュー】→【カスタム】→【5/9 ガイドライン表示】に設定あり。僕は十字線+斜め線表示を普段使っている。
■AEB(ブラケッティング)は積極的に使っていきたい。AEB設定は【十字ボタン下(ドライブモード)】→【右に二回ほどクリックしてオートブラケット】→【十字ボタン上で詳細設定】→【ブラケット幅と枚数の設定】と設定メニューに入る。イルミネーションは満足する露出が色々な可能性があるし、後述するHDRの素材にも使いやすいので、7・2/3設定にしておくことをオススメする。
さらに、オートブラケット設定を設定しておく。【メニュー】→【撮影】→【2/7 オートブラケット】で設定。【単写/連写設定】は連写(□が積み重なっている方のアイコン)、補正幅はここでも設定できるが7・2/3、ブラケット順序は-/0/+を選んでおきたい。イルミネーションや夜景の場合は現地でサクサク撮影するのにはブラケット1セット分の写真は1回のレリーズで撮影する方が効率がよく(逆に例えば花のマクロ撮影などでは毎回ピント合わせし直したいので、AEBを使っても単写の方が歩留まりがいい)、また撮影後自宅で管理ソフトで写真を一覧チェックするときに普通はファイル名順や撮影時刻順表示だろうと思われるが、ブラケット順序が0/-/+となっているよりも-/0/+となっている方が一覧性が高く便利であるから。
■イルミネーションでも殆どの写真はAFで撮影できる。…が、やはり一部はピントが合いにくく、MFに切り替えることもあるので、MFへの切り替え方、MF時のMFアシスト設定や使い方などは撮影前に軽く触って理解しておいた方が現地で効率よく動ける。
現地での撮影のコツ
ボケを活かしたイルミネーション撮影はやはり、あまりうまく行かないようだ。
僕にとって理想は、上記の写真のようなボケを活かした撮影。上記の写真の場合、f=77mm、F/1.8なので前ボケも後ろボケも徹底的に出ていていい感じなのだが…
LX100の広角端(換算24mm、実f=10.9mm)、開放F1.7でこんな感じ。手前にあるLEDがもっと派手にボケて画面全体に色を足してくれるぐらいのものを期待したのだけど、残念ながらそんな風には撮影できず、手前に無駄にかっこ悪くLEDの柵がある感じに写ってしまった。
まあ広角端だからダメ、って話もあるので望遠端(換算75mm、f=34mm、F/2.8)をチャレンジするとこんな感じ。手前に木に絡まったLEDの光源を入れこんでみた。まあだいぶボケた光源にはなってくれたが、僕はもっとベール状に入り込んでくるようなでっかい光源を期待したので、これでもちょっと物足りない感じです。
フィルター(クリエイティブフィルターのようなもの)の中では、クロスフィルターを使ってみるのが定番だろうか。【FILTER】ボタンで【クロスフィルター】を選ぶ。カスタム設定項目がないと思いきや、クロスフィルター適用状態で【十字ボタン右(本来はWBのはずなのに)】を押すと光芒の大きさを変化させられる。せっかくだから光芒が長い方が見栄えが楽しめると思う。
せっかくなのだから設定で6光芒とかにも変更できるといいのに。
あと、僕がよく活用してみるのがトイポップかな。トイポップはどちらかと言うと日中撮影向けのフィルタだと思うけど、試しに使ってみた。
上の方と同じ写真、上のはRAW現像したものだけどこっちがトイポップ。夜景でトイポップはあまり意味がないかな。
先ほども書いたが、HDR素材用にオートブラケット撮影は積極的にやっておきたい。
こっちがHDRした絵。LX100のカメラ内HDR合成ではなく、2/3EVごとの7枚の写真をPhotoshop CC(2015)上で合成したもの。こっちのが彩度強すぎる、ごってりしすぎと感じる人もいるかもしれないがその辺は別にHDR合成の編集の中で好みに調整できる(僕が彩度きつめが好きなだけ)。
なお、HDRで複数枚合成する際に動いている人なんかがいたりするとその人の部分が半分溶けちゃったりするのだけど、僕はそう言うのは味の範疇で問題ないと考えている。
撮影後、自宅でのフォトレタッチ
まずは後処理で光芒を作る方法。
Photoshopでイルミネーションに光芒をつける方法: フォトスクランブル
この辺を参考にさせてもらった。
こっちが60°と120°の光芒を足してみた絵。Photoshopで光芒を足す方法には【ブラシツール】の【クロスハッチ】と言う方法もあるらしいのだが、うちのPhotoshop CC(2015)にはそのブラシがなかったので別の方法で光芒を足してみた。
純粋な光芒の出方とはちょっと違う気がするので、別途イルミネーションに光芒だけ追加してくれるようなアプリを使った方が手っ取り早そうだな、と感じた(スマホアプリとか探せばすぐ見つかりそう)。いずれにせよ、昔みたいにいちいちフィルターワークで(クロスフィルターを装着して)光芒を出す、という時代は終わったのかなーと思った。僕も銀塩時代に買ったクロスフィルタを持っていたが、今の手持ちのレンズとフィルター径が合わないので処分してしまった。
あと、先ほども書いたけどHDR。
これはPhotoshopではなく、Photomatix Pro5.0.4(x64)を使用。PhotomatixとPhotoshop(のHDR)とどう使い分ければいいのかは僕も知りません。Photomatixの方がいじくるパラメータが多いような気はする。