天体写真:赤道儀含めた機材を買おうと思った備忘①:概要
紫金山・アトラス彗星のおかげで、久しぶりに天体写真病を発病し、天体写真挑戦してみたいなあと思ったので、少し機材を漁ってどんなものを購入すればいいか見積もってみたので、その備忘。まずは概要。
今どき、天文機材(主に望遠鏡で夜空を覗くイメージで)を買おうと思ったら、どうも傾向的に
①眼視観望主体のセット
②天体撮影主体のセット
③電子観望向けのセット
で分けた方が良さそうだった。
一番手軽なのは③電子観望。seestarなど、オールインワンでポンと置くだけで星雲星団等をある程度観望できる、と言うか、そこそこの写真が撮影できる。もちろん、きちんと赤道儀を組んで望遠鏡を乗せ、観望用のカメラを載せる構成にしてもいいのだが、赤道儀の極軸を合わせる面倒さとかを考えたら、seestarの方がはるかにお気軽でそこそこの写真が撮れてしまうようなのでお勧めだと思う。
逆に言うと、電子観望レベルで撮れてしまう天体写真なら、赤道儀をいちいち組む必然性を感じないわけで、電子観望よりもはクオリティの高い写真を撮りたいとか、星野写真を撮りたいとかの希望がなければ電子観望機材で終わりにしてしまってもよさそうだ。
①の眼視観望は相変わらずピンからキリまでの世界だ。安く済ませるようなら、SkyWatcher社のAZ-GTiと言う経緯台が自動導入してくれるので便利そうだ。これに7cmぐらいの屈折を載せてアイピースも中華の安いやつでもそこそこ見えるらしいので、合計10万円をちょっと超えるぐらいの構成で楽しめそう。
僕だったら、もう少し欲張って鏡筒をSVBONY SV503 102EDと言う10cmセミアポにしたら十二分に満足できそう(さすがに鏡筒が重いので、経緯台がきついかもしれないが)。
上を見ると、それこそアイピース1本数万円、鏡筒も10cmアポで30万円~みたいな世界なので、相変わらず天井知らずのようだ。今だと松本式EMSを使って屈折鏡筒2本を使った双眼システム、なんていうのもあって、これだとアイピースも2倍になるわけで、贅沢だけどうらやましいなあと思いましたとさ。
で、僕のターゲットは②の天体撮影なのだが、イメージとしてはフィルムカメラの頃、挑戦してもさっぱりダメだった直焦点撮影(500mm~700mmぐらいを想定)での星雲星団撮影を想定。スマホ+αレベルの写真なら先ほど書いた通り電子観望システムではるかに簡単に写せるので、もう少し高画質なものを。と言う感じにして機材を検討してみた。
細かい機材選定は別途記事をまとめるが、ざっくりとしては
・赤道儀
・鏡筒
・カメラは手持ちのミラーレスカメラ(フジ X-T5)を流用
・憧れのオートガイドシステム
と言った構成で、なるべく安く済ませつつ、簡便なものを検討してみた。
まず機材をいろいろ見つくろっていて気づいたのだが、僕の知識はアップデート出来ていなかったので鏡筒は口径7cm~10cmで焦点距離500mm~700mmの屈折、と言うのが前提だと思っていたが、ここがだいぶ状況が変わっていた。
昔なら所謂現在でいうところのフルサイズフォーマット前提なので、被写体から必要な焦点距離が決まり、明るさを確保した光学系を考えると…となっていくのだが、現代ではカメラフォーマットが1インチ~4/3インチのセンサーのもので充分な品質の写真が撮れるのだ。そうすると、必要な焦点距離も今まで思っていたものに対して1/2~1/3程度のもの、具体的には250mmぐらいの焦点距離の鏡筒で充分、と言うことになり、必要な口径も大幅に簡易にできる。実際、現在では口径5cm焦点距離250mmぐらいの写真向け鏡筒が人気になっているようだった。
鏡筒がそれだけ軽量小型でいいとなると、それを載せる赤道儀も簡易な奴で済みそう、となる。昔なら直焦点撮影するんならEM-200ぐらいないとダメなのかな、高いなあとか思っていたが、今ならエントリークラスの赤道儀でもそこそこなる(なんなら、さっき眼視観望用で出した経緯台のAZ-GTiを赤道儀改造して使ってもかなりのクオリティの写真が撮れるらしい)。もちろん、軽ければ風の影響とかガイドエラーの可能性は増えるのだが、昔は露出時間30分だったものが今では露出時間1分を30枚合成、とかでもいいわけで、合成の際にガイドエラーのものを除外すればなんとかなってしまう。
総じて、直焦点の天体撮影なんて僕の中では100万円コースじゃないとダメなんだろうと思っていたものが、赤道儀+鏡筒で20万円もあれば高クオリティの写真が撮れそうな状況だ(カメラを入れたら30万円コースかな)。
なので、今回はさらにちょこっとだけ奢って、オートガイドも含めた機材を選定することにした。今どき手動ガイドする人なんて絶滅したっぽいが、ノータッチガイドでもそこそこいけるらしいのでオートガイドは必須ではないようだ。
でも、オートガイドがある方が歩留まりは良さそうなので今回は購入してみることにした。
概要としてはこんな感じで、具体的な機材見積もりの記事は別途。