備忘:手持ちレンズを大幅に入れ替えた話

FUJIFILM X-T5導入から約1年近くたち、手持ちのレンズたちを6本売却して3本(あるいは4本)導入したので、その時に思ったこと等をメモ。

撮影システムをX-T1からフジに乗り換えてそろそろ7年ぐらい?経つが、なんとなくフラフラと変なレンズを買ったり売ったりしていたけど、ここで初心に戻って一回システムを固定しようと思った。
自分の中ではフジフィルムというメーカーはカメラの方のコンセプトはとても良いのだが、レンズの方は性能の良いものも揃ってはいるものの全体に大きく重い印象がある。そうすると自分は別にAFに頼った撮影をほとんどしないので、例えばレンズの方はMマウントのもっとコンパクトなレンズなんかをマウントアダプタ経由で装着することが多かった。
が、X-T5になりボディ内手振れ補正が載ってくると、Exif連動せず手振れ補正のために毎度焦点距離設定するのが億劫になってきた。
そこで、今回マウントアダプタ遊びはやめて素直にXマウントのレンズを使おう、ということで現在の手持ちレンズのほとんどを処分し、改めてXF 16mm F1.4(はX-T5購入後割とすぐに買ったが今回のここにも記載しておく)、Nokton 35mm F1.2(はレンズ発売時に予約購入して愛用していた)、XF 90mm F2(今回導入)、SIGMA 100-400mm F5-6.3(今回導入)、XF 16-80mm F4(今回導入)、というシンプルな手持ちラインナップに変更した。

処分したレンズは以下の通り。

COLOR-SKOPAR vintage line 21mm F3.5
デザインに惚れ込んで購入したのだけど、描写が優等生過ぎるというか、割と普通の写りだったので意外と使わなかった。フルサイズで使えば超広角なのだが、フジのAPS-Cで使っている分には換算30mmぐらいの平凡な広角レンズだしね。手持ち予算が潤沢だったら、お飾りとして所有を続けたのかもしれないけど…。
COLOR-HELIAR 75mm F2.5(Lマウント)
以前はペンタックスKマウントのSLバージョンを愛用していて、写りの良さ、コンパクトさが魅力でXマウント導入後はLマウントレンズの方を購入して使っていたのだが、前述の通り焦点距離設定(メニューからのレンズ設定)が面倒になってきたこともあり今回思い切って処分。
XC 16-50mm F3.5-5.6 OIS IIXC 50-230mm F4.5-6.7 OIS II
基本的に日常の写真はNokton 35mm F1.2一本で撮影しているので、MFでやっていられない時限定のような感じでバックアップとして使っていたレンズ。廉価レンズラインの割には画質は決して悪くなかったし、AFは遅めなのだろうけど自分にとっては動いてくれさえいれば気にしないレベルのお気楽ものなので問題はなかった。が今回シグマのライトバズーカを導入することにしたので50-230は不要になり、せっかくだからそれに合わせて標準ズームも差し替えしちゃえ、と決断してしまった。XCのこの二本のレンズはお気軽だし軽いし画質も良いし、で残しておいても使う可能性がないわけでもなかったが、まあそんな風に思って残してしまうと防湿庫の肥やしになりがちなので、今回思い切って処分した。
Tamron 272E 90mm F2.8 EFマウント、Fringer FR-FX2
フジのラインナップでは中望遠に自分の好みがない(XF 90mm F2は素晴らしいんだけど大きく重いことで二の足を踏んでいた、XF 80mm F2.8は大きく重いうえに口径食がボロボロであっさり手放してしまった)、超望遠ズームのラインナップが貧弱、ということでこの辺のAFレンズはEFマウントで代用しようと考え、Fringer FR-FX2を購入し、超望遠はシグマかタムロンのライトバズーカを、中望遠はキヤノンの単焦点あたりを、と考えていたのだが、目算が結構狂った。
まず、キヤノンの中望遠をマウントアダプタ経由で使っても言うほどフジのレンズよりコンパクトになりそうにもなかった。自分の中で中望遠のレンズのイメージのリファレンスはsmc PENTAX FA 77mm F1.8(レンズ内モーターがないこともあり、とてもコンパクト)なので、結局他社のレンズを見渡しても自分のイメージに沿うようなコンパクトなレンズなどなかったのだ。ということで、272Eは古いレンズだけど画質は折り紙付き(逆光性能以外は現代基準でも高性能だよ)だし、FR-FX2を余らせておくのもなんだし、と思って購入したのだが、やっぱり古いDCモーターレンズはひたすら駆動音がうるさかった…。実際にはMFで使うのがほとんどなんだけど、レンズ装着時に位置合わせのためにギャギャっと駆動音が発生するのがややうざかった。
また、超望遠はライトバズーカ系を…と思っていたのだが、意外にもEFマウントのライトバズーカ系は安い出物がなく、その後ミラーレス専用設計のシグマのライトバズーカがXマウントで出てきてくれてしまったことで、画質の妥協があるEFライトバズーカより、素直にXライトバズーカでいいじゃん、となってしまった。
ただ272Eを処分してしまうと手持ちのマクロレンズがなくなってしまうわけだが、ここはKマウントの72E/172E/272Eあたりか、DFA 100mm F2.8マクロあたりをそのうち安価に買ってExif連動なしで使おうかと思う。EFマウントだとExif連動するメリットはあるが、うるさいので不要と判断した。
APO-Lanther 180mm F4 SL
Kマウントデジタル一眼レフ時代にはめちゃくちゃ愛用したレンズ。コンパクトな単焦点レンズで、AE連動してくれるし、最短撮影距離1.2mとめちゃくちゃ寄れるので、素晴らしく使い勝手が良いレンズだった。…のだがミラーレスの時代になるとマウントアダプタ挟む分コンパクトさが損なわれるし、Exif連動はないし、で今一つ宙ぶらりんになってしまっていた。ので今回思い切って処分。Kマウントの人はこのレンズは素晴らしいので絶対使うべきだと思うけどね。

で、導入したレンズの購入動機は以下のような感じ。

XF 16mm F1.4 R WR
以前持っていたレンズ。僕にとっては換算24mmのレンズというのは、すごくしっくりくる焦点距離で常になんらかのリファレンスとして交換レンズだったり高級コンデジだったりという形で保有していたスペック。
このレンズも画質的には自分には文句なし。無理やり文句をつけるとすれば、若干フリンジが発生するのと近接時の中景ボケのいまいちさ、そして日中は気にならないが星景写真ではサジタルコマフレアが意外にたくさんでることぐらいだった。どちらかと言うと、「素晴らしいレンズなんだけどちょっとでかくて重いよねえ…」という点が気になって一度手放してしまった。
が、少し前によくよく思い返して、フジのシステムでは結局代替になるような製品などない(XF 16mm F2.8ならコンパクトかな、と思ったりしたことはあったが)し、よっくよくスペックを並べてだらだらと見ていたら、僕の中での換算24mmレンズの原典のレンズでもあるsmc PENTAX FA 24mm F2と大きさ重さはたいして変わらない(むしろXF16mmF1.4のが若干小さい)ということに気づき、「だったら気の持ちようで大きさ重さは気にならなくなるだろう」と改めて再導入を決めた。
実際のところ、AF-MFクラッチ機構はもはや現在のXシステムには不要と言えるのでその辺が刷新されたII型なんかが出たら買い替えを検討するかもしれないが、当面の間は相棒としてきちんとかわいがってやろうと思う。
XF 90mm F2 R LM WR
このレンズは今まで購入したことはなかったものの、一度六本木で借りて使ったことがあって、描写の素晴らしさは本当に息をのむレベルだということは知っていたが、何度も書いている通り「大きく重すぎるよなあ…」ということで導入を躊躇していたレンズ。
実際のところ大きく重い原因はリニアモーターを4発も積んでいたりするからだろう(僕にはそんなにAF速い必要はないんだけど)と思うが、最近NikonからPlenaが出て「口径食の少ないレンズの良さ」みたいなのが布教されるにつけ、「XF 90mm F2はXシステム版のPlenaレンズなんじゃないの?」みたいに自分の中で妙に盛り上がってしまって、「このでかさは口径食除去を頑張った結果なんだと思い込むことにしよう」と考えを改めて導入することにした。
結局のところ、僕の普段の撮影(スナップ)スタイルは「換算24mmの明るいレンズ、準標準~標準の単焦点、APS-Cで75mm~100mmぐらいの中望遠単焦点」を基本として成り立っているので、XF16mmNokton35mmXF90mmでうまく完結することになる。
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS|C
少し前からXマウントにサードパーティが参入し、特に超望遠ズームはこのレンズとタムロンの150-500mmの発売で選択肢がだいぶ増えた印象。
僕は過去、あまり超望遠というのは使いこなせていないのだが、逆に自分の目線を広げるため、という屁理屈でこのレンズを導入することにした。
こっちはスナップというよりも、今後天体写真への再挑戦や野鳥撮影への挑戦等で活用していこうと思っている。
XF 16-80mm F4 R OIS WR
今回、なぜか気の迷いでこのレンズにまで手を伸ばしてしまった。屁理屈理論でいうと、①超望遠レンズが欲しくなり、SIGMA 100-400mmを購入する→②手持ちのXC 50-230mmが不要になる→③だったらXCのレンズ2本とも処分して、XC 16-50mmXF 16-80mmに差し替えちゃおうか、という変な論法である。
もともとこのレンズはスペックだけ見れば僕にとっては欲しいレンズの一つだった。焦点距離のリファレンスとして換算24mmが好きな僕は、18mm(換算27.5~28mm)始まりのズームレンズよりも16mm(換算24mm)始まりのズームレンズが絶対、という信条があり、だからこそ今までXC 16-50mmを愛用していたのだが、X-T5を導入し大満足するにつけ、今後もシャッター速度ダイヤル付きのカメラを使い続けるだろう、ならば絞りリング付きのレンズをきちんと持った方がよかろう、ということでこのレンズに改めて着目した。
このレンズは発売時にも着目していたが、画質がいまいちという評価が出ていったん興味を失っていた。あと若干大きく重いし、最短撮影距離があと5cm10cm寄れれば…と思っていたところだったのだが、結局のところ僕の普段使いは常にNoktonであり、XC 16-50mmであろうとXF 16-80mmであろうとバックアップレンズの意味合いが強く、持ち出す機会がある程度限定されるのならその時ぐらい大きさ重さは妥協があってもいいのではないか、また立ち位置がバックアップということはお便利ズーム的扱いでもあるということだから、そんなに画質にも目くじら立てなくてもいいじゃない、と気づいた。それよりも完全に万能なスペックを愛でてやろうと。
そんなことからひょんにこのレンズまで導入してしまった。
このレンズはレンズ交換が限定されるイベントとか家族とのお出かけ、あるいはシグマ超望遠と組みあわえて風景写真を撮りにお出かけするときに活用する目論見。

という感じにまあ大幅なシステム入れ替えを断行してしまった。これで自分の撮影スタイルはほとんどカバーできる形になったが、もし今後システムに追加するレンズがあるとすれば、中望遠のマクロと超広角ズームになるかと思う。
中望遠のマクロはタムロンの90mm F2.8の1万円アンダーなものでもそのうち見繕えば十分だし、あるいはXマウントへのサードパーティ参入の中でシグマやタムロンからXマウントマクロが出れば購入対象になると思う。
超広角ズームは利用用途的に星景写真が想定されるので、明るさを求めてSIGMA 10-18mm F2.8 DC DNになるか、あるいは超広角ズームでスナップも楽しいのでXF 10-24mm F4にするか…まあまだだいぶ先の話になりそうなのでゆっくり検討しようと思う。

ということで、新しく導入したレンズは試写を含めたレビューを何本か書こうと思う。

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