audbos P4とMUC-M12NB1簡単なレビュー

中華イヤホンaudbos P4とSONY製のリケーブル用ケーブルMUC-M12NB1を購入したのでまとめてレビュー。


今はポータブルリスニング環境に
DAP:SONY Walkman NW-ZX300
ケーブル:onso 03 iect_03_bl4m
イヤホン:Etymotic Reserch ER-4S
と言う環境で聞いている。この組み合わせはお気に入りで、特にER-4SのおかげでまるでDAPから脳まで電気回路で直結されたかのようなダイレクト感のあるサウンドを大いに楽しんでいるのだけど、そろそろ気分転換になるようなサブセットが欲しくなってきた。まあDAPまで新しく買う必要はないので、新しいイヤホンとケーブルを買おうということになる。
以前、Shure SE425を持っていたのだけど、いまいち装着感が合わず音が好みにならなかったので手放してしまっていたので、有名どころの製品でどうにかするとしたら耳型を取ってカスタムIEMするしかないかなあ、あるいはカスタムイヤーチップを作るかなあ、などと思っていたら、中華イヤホンなら1万円前後でも結構な多ドライバタイプの面白い製品を購入できることを知った。
なら一度その手の製品で試して、それでダメならカスタムイヤーチップに進んでも遠回りにはならないかと思い、購入検討することにした。

ちょうどamazonのサイバーマンデーセール直前だったので、セールになりそうな商品を目安に見繕っていたのだが、中華イヤホンは玉石混交過ぎて本当によくわからない。完全に人柱覚悟だなあと言う感じになってしまった。いろいろ見ていて、どうせならシェルが青い色の物がいいかなあなどと思ってみていたら、audbos P4と言う製品が目に留まった。見た目も結構美しいしいい感じだったので、これにでもしようかとネットを漁っていたらamazonに対抗してaliexpressがセールをやっていて、そっちなら1万弱ぐらいでaudbos P4が購入できるのに気付き、購入してみることにした。
なお、購入後にもう少し調べてみると、audbosと言うブランドは2018年中ごろにTENHZと言うブランド名に変更しており、後継品としてTENHZ P4 Proと言う製品を出しているようだ。後継品の方が音質改良が進んでいるようだが、個人的にデザインがaudbos P4の方が好みだったので、まあこっちでいいかという感じ。

と購入したaudbos P4だが、中国から日本に届くのにやたら時間がかかってしまい、相当な待ちぼうけを食らってしまった。年末で物流繁忙なのもあるのかもしれないが、12/07に注文して12/28に到着、と20日以上待つというのはかなりじれったかった。これだけ待たされるなら、amazonで国内発送の商品で見繕っておいた方が無難なのかなあ、などと思ってしまった。

まあ、そんなこんなで年末押し迫るころになってやっとこさ届いたaudbos P4。これが届く前にリケーブルのmmcx端子を頻繁にいじるのも面倒だったし、ケーブルの特性を知るのも面白いかと思って、SONYのMUC-M12NB1も揃えておいたので、併せて感想を。

まず、MUC-M12NB1について。上記の通りaudbos P4が届くのに相当な時間がかかったこともあり、しばらくの間実験的にER-4SMUC-M12NB1を装着して音質の違いなどを比較していた。
この場合、純粋にiect_03_bl4mとのリケーブル違いの音質を比較することになるが、確かに音質に違いはある。僕の場合、ER-4S+iect_03_bl4mを結構長いこと聞いていたので、ER-4S+MUC-M12NB1に切り替えた時は音の違いと言うよりは若干の違和感のようなものを感じた。しばらく聞いてみると、違和感の原因は2-10kHzぐらいの中高音の響きであるっぽい印象だった。多分、ER-4S+MUC-M12NB1の方が中高音が若干強く出て響く感じに聞こえるようだ。
でも多分、この違和感は半月も使っていれば耳の側がエージングされて分からなくなってしまうだろう。また、どっちが良い音だという比較もしづらいかなあと言う印象だった。個人的には音質の問題ではなく、下記の理由でER-4S+iect_03_bl4mの方を今後も使っていく予定だ。
その理由とは、音質よりもケーブルの取り回しの違いの方が気になったからだ。iect_03_bl4mは比較的軽量なケーブルでしなやかなので、分岐部分も含めてかさばらない。一方で、MUC-M12NB1はナイロン布のようなもので被覆している分も含めてケーブルが太く重く、分岐部分やmmcx端子部分含め全体的に大きくかさばるからだ。ER-4Sは高級イヤホンとしては相当に小柄な部類なので、その小柄さをスポイルせずに気軽に持ち運ぶにはiect_03_bl4mの方が都合がいい。
また装着時も、MUC-M12NB1の方が若干重いので耳に負担がかかる。本来、MUC-M12NB1はShure掛けして耳の裏に荷重をかけるスタイルで運用すべきなケーブルで、直接耳からはやしてケーブルを垂れ下げられるER-4Sでは使い勝手が落ちるのだ。


MUC-M12NB1iect_03_bl4mの比較。ぱっと見は大差ないように見えるかもしれないが、iect_03_bl4mの方はきし麺状のケーブルなので見た目に比べてかさばり感はずっと少ない。


根元の4.4mm5極バランスプラグはMUC-M12NB1の方が若干コンパクトなぐらいなのだが、


mmcx端子はMUC-M12NB1の方が若干大きく、


途中分岐部分に至ってはMUC-M12NB1は露骨に大きくて取り回しが悪い。

次に、audbos P4について。まず、これを納得できるように聞けるようにするには、耳掛けのためのイヤーフックとカナル装着のためのイヤーチップの相性を見極める必要がある。

順に書いていくと、まずイヤーフックについて。僕がER-4Sを愛用しているのはShure掛けをいまいち得意にしていないこともあるので、少しでもマシに耳掛けするには耳の周りをメガネのツルのようにイヤホンケーブルを這わせる補助器具としてイヤーフックが必要になった。世の中にはmmcx端子近くに金属線を埋め込んでイヤーフック状に曲げられるケーブルも売っているが、残念ながらMUC-M12NB1は(iect_03_bl4mも)そういう金属線は入っていないので、代用品を探すことになる。まあ、あまり悩まなくてもamazonなどで普通に売っている。

最初は、比較的小柄なイヤーフックの方が持ち運びに邪魔にならないだろうと思い、finalの製品を購入してみたが、これは僕にはイマイチだった。小さすぎて耳の周りをうまく覆いきれないし、細身すぎてケーブルから外れやすい印象だった。小柄な人の小柄な耳に装着するのなら相性はいいのかもしれない。

そこで買いなおしたのが住本製作所 SMEH70BKという商品。こちらの方がだいぶ大柄でケーブルも外れにくく、僕にとっては良かった。その代わり、だいぶかさばるのが欠点ではある。いずれにせよ、こういうはめ込みタイプのイヤーフックはどうしても簡単に外れやすい印象だ。外れないようにテープで貼っちゃうのはさすがにかっこ悪いので、なんらかの対策を考えたいところだ。


二つのイヤーピース。左がfinal FI-EHABL、右が住本製作所 SMEH70BK。メガネをかける人などは小さい方がツルと干渉しなくていいのかもしれない。住本製作所 SMEH70BKの方が若干固定がしっかりしているもののどちらも外れやすいのは同じ。

次に、イヤーピースについて。とりあえず、以下の商品を購入してみた。

さらに、JVC EP-FX9はサイズが5種類、SpinFit CP240もサイズが3種類別売りなので、自分の耳にあうイヤーピースを探すのはホントに果てしない作業になる。JVC EP-FX9の方はお試し用に5種類1ペアずつのセットがあってもいいと思うのだが…。
これらに加え、audbos P4に付属のシリコンイヤピース、低反発チップイヤピースがある(これらもサイズが3種類)ので、自分の耳に合うものを探すのは果てしない。
個人的には、低反発タイプがいいのは良く知っているが耐久性が全くないことも知っているので、常用にはできればシリコン製で済ませたい。シリコン製でも硬かったり柔らかかったりで多少違いがあるのだろうが、できれば2段フランジになっているSpinFit CP240が合えば一番いいかなと言う感じだった。
で、今のところの結論としてはJVC EP-FX9(ML)SpinFit CP240(L)が良いかなと言う印象。大きめのイヤピースの方が僕の耳には相性がいいようだ。この辺のだときっちり装着した後にイヤホンを外そうとすると耳道が引っ張られるというか負圧になるのが分かるので、しっかり装着できていると思う。ただ、SpinFit CP240(L)は長時間(2時間以上)装着していると耳道が痛くなってくる(多分二段フリンジの小さい方の端が耳道にかすって当たっている)ので、なかなか悩ましいところだ。

といろいろやってきて、いよいよaudbos P4の感想。
最初に聞いたときは、まだイヤピースの試行錯誤をしていたこともあって意外に音が軽い感じだった。ER-4Sが耳まで直結している感じがあるのに対して、audbos P4は耳との間に視聴している空間があるような響き。悪く言えばちょっと籠っているようにも感じる。その後試行錯誤してみて、空間があるように感じるのはイヤピースの装着が悪いというのがだんだんわかってきて装着感の良いイヤピースを選ぶように追い込んでだいぶ改善したのだが、最後までaudbos P4は耳に張り付かずに空間が広がっているような感じに聞こえる。これは多分、装着の問題じゃなくてそういうチューニングになるのだろうなあと思った。
音質の傾向としては、多分フラットなのだろう。そもそもER-4Sが低音がかなり少なめのイヤホンなので、それに比べたらaudbos P4はだいぶ低音はある。それでも、低音豊かなイヤホンに比べたらだいぶあっさりめの音なんじゃないかと思う。中高音の伸びはそこそこ良い。充分に元気な音を出しているのだろうと思うが、僕の耳への装着だとどうしても籠り気味であるように感じるせいもあるのか、もう少し元気さと言うかクリアさがあってもいいかなと言う感じだった。
全体としてはおしゃれなイヤホンで、音質的にはキャラクタの違いをしっかり感じることができたのでこれでいいかなと言う感じ。多分、音圧ベッタリなアニソンなんかを聞くよりも、Jazzなんかの方が相性はいいのだろうなあ。と言う感じだった。


とりあえず出来上がった2組のセット。

あと特筆すべきことだが、2組のイヤホンでは抵抗値が全然違うらしく、音量の取れ方が全然違うER-4Sは普段はハイゲインで75-90ぐらい(ローゲインだと100を超える)で使っているが、audbos P4だとローゲインの50-65(ハイゲインなら40-45)もあれば十分になる。しばしばER-4Sは音量の取れない鳴らしにくいイヤホンだといわれているのがあらためて認識できた感じ。また、大音量にしていくとER-4Sはどんどん音が強くなっていって耳を悪くする領域まで持っていけるが、audbos P4の方はある一定以上は音を大きくしても音が壊れるというか割れたような感じになって音量増加にならない。この辺の特性の違いも面白かった。



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