【読書】:面白くて眠れなくなる化学
ブックレビューもこのサイトでやろうと思ったまま、一つだけ書いて放置していたので再開してみようかと思う。
で、最近、この「面白くて眠れなくなる」シリーズというのをいくつか立て続けに読んでいるので、再開一つ目はこれで。
このシリーズの中でも著者が違うと本のカラーが若干変わってくるのだが、この本の作者の左巻健男さんと言う方は元理科教員で、教師の時のモットーが「家族の食事のときに、その日の授業の話題で盛り上がるような授業をしよう」と言うものだったらしい。この本の特徴はこの一文に如実に表れていて、本の内容的には少し掘り込んだ内容、と言う類のものではなく興味を引き起こそうな話題を広く浅く、という感じだった。
読者としては、現役高校生よりも少し下の中学生ぐらい、あるいは子どもと日曜理科実験をしてみたいお父さん、あるいは疑似科学的なものによく騙されがちなお母さん、と言った印象。
全体として「化学」がテーマではあるのだが、この本の浅さだと「科学基礎」でもあまり大差はないかもしれない。
第二章【面白くて眠れなくなる化学】には炭酸飲料で溶ける骨の都市伝説・温泉の効能・アルカリ性食品と言う言葉の嘘、マイナスイオンやゲルマニウム何とかなどの偽科学などについていて書かれているので、この辺は疑似科学に関して間違いをしがちな人にぜひ読んでほしい。
第三章【思わず試したくなる化学】ではカルメ焼きだとかスライムだとか、よく『子供に興味を持ってもらうための科学教室』的な場所で行われる実験等の説明。この辺は、書籍の新しさ(2012年発行)の割には垢じみたというか有名になりすぎた実験ばかりだなあ、と言う印象がぬぐえなかったが、それでも家庭でもできる実験、的な内容なのでそういうのに興味を示した人がやるといいのかなあ、と感じた。